究極のスタイル

プロジェクト:コマキノ『ザ・ストラグル・フォー・ユートピア』
プロジェクト:コマキノ ザ・ストラグル・フォー・ユートピア
ボーカルがポール・バンクス(インターポール)にそっくり!という点にまずつっこみを入れたいのだがそれはさておき、このサウンドにはリアリティがあるのではと思う。金曜の夜に場末のクラブで流れるのが目に浮かぶようだ。「スタイルとしてのポスト・パンク」を貫くのがいかに困難なことであるかは、数年前のポスト・パンク・リバイバルの生き残りがいまや皆無に等しいという事実が物語っている。が、最近のポスト・パンクをインスピレーションorモチーフとしたバンドたちは、数年前のそうしたバンドと比べるととてもよくできているなと思うし、このバンドの場合はリズムが違う。ポスト・パンクを「ダークさ」と結び付けるのは簡単だが、それを単純に模倣した「漆黒の世界」ではなく、ポスト・パンク・サウンドが解体され「ビート」だけが取り出されたときの高揚感――それをここまで体得し、あっけなく鳴らすバンドはいないだろう。いま「ゴス」と呼ばれているものには、ご存知のとおり本来の「ゴス」の意味はない。それは、もう「スタイル」になってしまっているからで、何より様式美、なのだろう。(羽鳥麻美)
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