恋愛番組『シャッフルアイランド』の主題歌ということで、セクシー路線も得意なWANIMAは適任とは思いつつ、最近の3部作で改めて土台を作り上げた今の彼らは、このテーマにどう挑むのだろう？という謎もあった。聴いてみると、テーマに真摯に向き合いつつ、等身大の自分たちとして歌い鳴らしたような跡が見える。《浮き浮き》《ブギウギ》なんて語呂もよくて楽しいし、エロティックに捉えられる表現も散りばめられているのだけれど、質感としてはシックという、絶妙な匙加減なのだ。エロに憧れている背伸び感や、照れてふざけてしまう感じはなく、恋愛という人間の本能を、冷静に捉えているように聴こえてくる。きっと、3人が技巧的にも精神的にも、成長したところが大きいのだろう。アレンジは相変わらず秀逸なのだけれど、そこばかりには耳が行かない。ゴリッとしたアンサンブルと、KENTAの艶やかな歌声という、彼らの本質が際立っている。ロックバンドがロックバンドのままで恋愛を描くにはどうすればいいのか、という問いに対する、ひとつの答えのような楽曲だと思う。（高橋美穂）

『ROCKIN'ON JAPAN』2月号より