前作『アタラズモトオカラズ』から5年ぶりのフルアルバムである。そのインターバルからしても当然といえば当然だが、これまでのどのアルバムとも異なる色をもっている。というか、これまでのどのアルバムの色もある、といったほうが近いか。いきなり私立恵比寿中学への提供曲“ジャンプ”のセルフカバーから始まるという構成も斬新だが、タイアップ曲が多く収録されているということもあって、曲ごとに違うテイストが感じられる、とてもカラフルな一作となっている。これまでアルバムごとにわりと打ち出す方向性が一貫していたのとはまったく印象が違うのだ。ソリッドなロックチューンあり（“Flowers”）、ポップなロックンロール歌謡あり（“Oh My エンジェル！”）、エレクトロなダンスポップあり（“ブラックスター”）……最後に収められた珠玉のバラード“スワンソング”で《いつかこの欠片を磨いたら　ダイヤモンドみたいに輝いて》（アルバムタイトルはここから取ったのだろう）と歌われるように、バラバラの欠片を集めて磨き上げた、星空のような美しさを持つアルバム。（小川智宏）

『ROCKIN'ON JAPAN』2月号より