華と棘が指し示す心のかたち

Cö shu Nie『Flos Ex Machina』
発売中
ALBUM
Cö shu Nie Flos Ex Machina
前作『PURE』以来約2年3ヶ月ぶりとなるCö shu Nieの2ndアルバム。昨年6月にドラマー・藤田亮介が体調不良によりバンドを離れてしまったため、藤田との3ピース編成のアンサンブルとサポートドラム/打ち込みが混在するカオスな装いの作品となった。が、それによって逆に中村未来の、制御も統制も不能な才気が百花繚乱の様相を呈している。

ハイパーな音像の狂騒感を《飛び乗れ/ぶっちぎって/ULTRA SPEED UP》と麗しく煽る“BED CHUTE!!”。《酔って舞って芽吹いて 望んで描いて吐いて/苦患の救毒にくらくらら》と妖艶な深淵の境地を極彩色に咲き誇らせる“病は花から”。“SAKURA BURST”をはじめ、ストリングスカルテットとせめぎ合い響き合いながら生み出す美のスリル……。“red strand”や“undress me”など既発タイアップ曲群も含め、唯一無二の華と棘を鳴らすCö shu Nieの真髄が結実した意欲作。《一緒に連れていくよ/決めたの/もうわたしは迷わない》の絶唱とともに終幕を飾る“迷路~序章~”と“迷路~本編~”の流れは、音楽と心の謎に挑み続ける宣誓そのものだ。(高橋智樹)

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