光る、視界が開ける

Eve『Bubble feat.Uta』
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アニメ『進撃の巨人』でも知られる荒木哲郎監督とWIT STUDIOのタッグによる映画『バブル』のオープニングテーマとして書き下ろされた新曲。脚本に虚淵玄、キャラクターデザイン原案に小畑健、さらに、音楽には澤野弘之というビッグネームが集結した作品だが、そこにこんなにも威風堂々としたビッグスケールな一曲を投じるところに、今、この国のカルチャーの最先端かつ中央点にいるEveの気概を感じる。しかも、アルバム『廻人』が出たばかりだというのに。すごい速度である。

すごいのは活動速度だけでなく楽曲の速度も然り。一直線に光へ疾走していくような、EDM的な覚醒感のあるダンスフィール、重層的に音のレイヤーが重なった立体的で陶酔感のあるサウンド、《叫んでいこうぜ》と聴き手を鼓舞し扇動する歌詞――確実に新しい扉を開いている一曲だ。Eveと声を重ねている女声の主「Uta」は、映画でヒロイン・ウタの声を務めるりりあ。と思われる。己の声だけでなく、様々な「声」をその音楽世界に重ね合わせ、グラデーションを深めながら、Eveは拡張していく。(天野史彬)