何これ、すごすぎ。と、馬鹿みたいな顔で聴き終えた瞬間に口走ってしまった。曲が始まった瞬間に聴こえてくるマーチングドラム、そのあとに聴こえてくるホーンの高らかな響きは、この新曲“SWAM”が、「ポカリスエット」による、インターハイに向かって部活動に励む高校生を応援する「来たぞ、インハイ。」企画のために書き下ろされた楽曲ということで、「応援」というモチーフから着想を得たサウンドなのだろう。それらとエレクトロニックなビートや鋭利なラップ、熱を増幅させていく楽曲の反復構造が絡み合うことで、異様とも言える狂騒的なエネルギーが生み出される。JPEGMAFIAのようなエクスペリメンタルなヒップホップからの影響もあるだろうか。刺激的なサウンドデザインである。
前に取材をした時にWurtSは、「WurtSはデモ的なもの、事件的なものとして、思いを吐き出せる『場所』になればいい」と語った。この曲はまさに、そんな彼の目論見が野性的な生命力とともに結晶化されている。この音に乗せて、押し殺されてきた数多の声が叫び、数多の身体が踊り出す光景が目に浮かぶ。(天野史彬)
解放と狂騒のマーチ
WurtS『SWAM』
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