どこまでも正直な歌を連れて

FOMARE『midori』
発売中
ALBUM
FOMARE midori
フルアルバムとしては『FORCE』以来約3年4ヶ月ぶりとなる2作目。メロディに寄り添い紡いだバンドサウンドに乗せて歌われる、今の彼らの心情が丹念に綴られたリリックが印象的だ。最初の“愛する人”の《当たり前だった毎日がただ恋しいだけなんだ》、前半を締め括る6曲目“かぼちゃ列車”の《あの頃よりも/大切な物は増えたけれど/ここから眺めてた 景色が無くなり寂しいよ》といったラインでは、二度と戻ることのない過ぎし日に対する懐古や追慕の情が歌われる。そこから、7曲目“Grey”では《“かもしれない世界なら/届く可能性がある”って/今はただひたすらに/戻れない夜を越え》とその先へと足を踏み出して見せ、最終曲“タバコ”で《優しさも 嘘だって 本当の事も歌うよ/僕なりの僕で あなたに歌を歌うよ》と現在の立脚点から未来を見据えた決意が表明されるのである。ロックバンドとしてステージを登るにつれて否応なく訪れる変化と、それに伴う喪失を認めながら、それでも更なる可能性を求め突き進むバンドの思想が、熱情の渦を巻いて聴き手である我々に突き刺さってくる。(長瀬昇)

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