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前作から約2年。いよいよPEOPLE 1の2ndアルバム『星巡り、君に金星』がリリースされる。こうして並べてみるとあらためてその多作ぶりと縦横無尽にジャンルを股にかけるセンス、引き出しの多さは途轍もない。「並べてみると」というのは比喩ではなく、イントロダクションの役割を果たす“PEOPLE SAVE THE MACHINE”を除けば、2曲目“銃の部品”から11曲目の“ハートブレイク・ダンスミュージック”までリリース順に、ある意味機械的に収録されているにもかかわらず、そこには美しい流れと必然性があり、まるで最初からこのアルバムが生まれることを想定していたかのようだ。その中で、ミニマムな独白調の表題曲“君に金星”では、快進撃の裏にあった迷いや弱さも想像させるが、葛藤や自問自答を飲み下して大衆性を希求し続け、いつしか大衆側を覚醒・アップデートさせてきたここ2年間の激闘の記録は、それでもなお《最終回のその先へ 君の不安を歌うから》と高らかに宣言する“鈴々”で、次章へと繋がれる。(風間大洋)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年2月号より抜粋)
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