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前作から3年8ヶ月。そのあいだに独立、そして新しい事務所への所属という転機を乗り越えて、サポートメンバーの土器大洋とホリエ、エンジニアなどとともに自分たちの理想とする音像を獲得することに成功した。昨年結成10周年を迎えたyonigeにとって、間違いなく今作が最高到達点である。1曲目“Super Express”から気持ちのいいギターの音で爽快なリフを鳴らし、そこからミュージシャンシップ全開で笑いながら音を作った風景が浮かんでくる“Exorcist”、歩く速さに合うBPMをもとに作り上げた“walk walk”、パーソナルな感情を音楽に封じ込めた“True Romance”など、自分たちが作りたいものやかっこいいと思うサウンドをまっすぐ追求している姿勢を感じさせる12曲が並ぶ。背伸びすることをやめたという牛丸ありさ(Vo・G)が書く歌詞と研ぎ澄まされた楽器の音色たちが絡まり合うと、現実を無理やりよく見せようとするのではなく、目の前のことをそのまま切り取ったような音楽が浮かび上がってくる。(矢島由佳子)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年3月号より抜粋)
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