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どこかで聞いた「アンチエイジングよりウェルエイジング」みたいなコピーを思い出した。昨年「同一メンバーによる最長活動ロックバンド(女性)」としてギネス世界記録に認定され、まさしく前人未到の領域に突入したSCANDALの約2年ぶり、11枚目のフルアルバム。シングルリリースされた“Line of sight”や、TVアニメ『HIGHSPEED Étoile』EDテーマ“ファンファーレ”といったアグレッシブに疾走するギターロック――彼女たちが積み上げてきたスタイルの最新形と同等の輝きを放つのが、AORやソウル、R&Bの香る「大人」な手触りの楽曲である。決して渋いわけじゃない。晴れやかながらコシのあるグルーヴを放つ“群青pleats”やEOWとの共作曲“Plum”など、いずれも無理なく自然で華もあり、「そういう音楽がトレンドだから取り入れてみた」というより、今の4人の嗜好や心地よさに忠実に生み出したのだろうという想像がつく。バンドの到達点を示すだけでなく、記録更新を続ける先の未来にまで想像を巡らせたくなる快作だ。(風間大洋)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年5月号より抜粋)
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