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待望のアルバムタイトルが『凡才』だと知って、ほぼ全員が「いやいや」とツッコんだはず。「全世界累計100億回再生突破」という破格の数字は、ひとえにimaseのソングライティング能力の非凡さによるもので、その証明ともいえる曲が今作には19曲も収録されている。“NIGHT DANCER”改めていい曲だなあとか“Happy Order?”の多幸感泣けるなあとか、アルバムの世界に浸りながら感じるのは、その「声」の魅力だ。ミッドに深みのある声がファルセットでふわっと離陸する瞬間の美しさは、昨今の男性ボーカルで唯一無二のキャラ立ち。ジャンルレスなサウンドはアニソン的なエッセンスも香る「Jポップのいいとこ全部乗せ」という仕上がりながら、どこか海外の風も感じて、なんというか23歳の彼がサブスクで摂取したありとあらゆる音楽が産地直送でimase印のポップスになっているような印象。様々なルーツを持つ音楽のトンマナを魅惑のボーカルで揃えつつ、全世界/全年代対応型ポップスを作り上げるセンスはやっぱ天才でしかない。(畑雄介)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋)
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