終わりに向かって、今を強く抱き留める「生活」の歌

Cody・Lee(李)『最後の初恋』
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ALBUM
Cody・Lee(李) 最後の初恋
Cody・Lee(李)はずっと「生活」を歌い続けているバンドである。約2年ぶりとなるメジャー2ndフルアルバム『最後の初恋』においてもその姿勢は変わらず、今、目の前にいる「君」との「生活」が丁寧に抱き留められていく。スペーシーなディスコチューン“DANCE扁桃体”、成熟したAORサウンドの“真夏のジャイガンティック”、90年代Jポップを彷彿とさせるシンセが光る“ストロベリーエンジェル~Don't Say Goodbye~”など、国籍も時代性もますますボーダーレスに溶け合ったサウンドによって「生活」はますます幅と奥行きを増しながら、アルバム最後の“生活”と冠されたシンプルなバラードへと辿り着く。《終わりは必ずやってくるものだとして/君と今日を生きてそれが歌になる》――。ハローとグッバイ、生と死が不条理に入り交じる人生において、そして不安定な世界情勢において、高橋響(Vo・G)という一個人の「生活」をどこまでもクリアに紡いだ歌が、僕らの「生活」のくだらなさの中にある尊さに一輪の美しい花を挿す。(畑雄介)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年7月号より抜粋)


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