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TikTok上で“Tinder”がバイラルヒットしたアンと私のミニアルバム『SWEET LILY / SAD FOREVER 2』は、処女作『SWEET LILY / SAD FOREVER』からの成長を感じられる。なぜなら、全曲の作詞作曲を行う二口(Vo・G)のソロプロジェクトとして始動したアンと私の処女作から、バンドのフロントマンとして進化した二口、そしてアンと私自体が成長したことを強く感じられるからだ。今作には全8曲が収録されているのだが、どの曲でもメンバーそれぞれが鳴らす楽器の音のカラーがしっかりと表われており、ジャンルの幅がとても広い。中でも特にバンドの進化、成長を感じたのが“スーサイド・リリー”で、彼らの可能性に心が躍った。ミディアムテンポでポップなメロディ、16ビートをお洒落に鳴らしながらノリやすいテンポで壮大に広がっていくサウンドが素晴らしい。歌詞は人との切ない別れがドラマチックに描かれている。だが、最後のフレーズだけは、これまでの二口自身との別れ、これからの覚悟が表れていると感じた。(岩田知大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年10月号より抜粋)
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