『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
EP『MARBLES』で不遇のコロナ禍時代にケリをつけ、coldrainのMasatoを迎えた“DUNK feat.Masato(coldrain)”で攻勢に切り替えたTHE ORAL CIGARETTES。そのままロックモードで進むかと思いきや、ニューシングル“UNDER and OVER”は、軽やかなギターカッティングとグルーヴィーなビートに揺れるミドルテンポな1曲。アニメ主題歌にも起用されており、こうしてしなやかに硬軟を使い分けられるのは経験値の賜物だ。いい感じに肩の力を抜いたサウンドとボーカルスタイルでありながら、しっかりロックバンド・THE ORAL CIGARETTESとしての存在感を示している。その中で、山中拓也(Vo・G)は《生まれ変わったように/見せてこれたけど》《掴みかかったようにさえも/見えたけど》と過去を顧みる。一見ネガティブに感じるけれど、うしろを振り返ることができるのは強さの証だ。残してきた足跡と少しの諦念を心に刻み、新たな希望を抱え直して未来へまた歩き出す。そんな強さを、彼らは持っている。(後藤寛子)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年12月号より)
『ROCKIN'ON JAPAN』12月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。