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大阪府寝屋川市発のパワーポップバンド・the paddlesにとって大きな転機を迎えた本作。局所性ジストニアにより長らくライブ活動を休止していた加賀屋航平(Dr)が脱退するため、同作が3人での最後の一枚となる。the paddlesらしさ全開のパワーポップソング“愛の塊”。大切な人やバンド、ライブハウスにまつわる言葉をちりばめて、ユニークにこれまでの感謝と愛を伝えた“余白を埋める”や、初めて本格バラードに挑戦した“ワンスター”など、彼らの歴史と未来への挑戦が詰まった5曲を収録。柄須賀皇司(Vo・G)も松嶋航大(B)も、加賀屋はバンドのことをいちばんに考えた結果、脱退を決めたと話していた。だからこそ、今作はバンドの進化、そして未来へつなぐための作品になったのだと私は思う。《いつか落ち着いた時くらいは/休み合わせて会おう/忙しいなんて言い訳なんだぜ》という“永遠になればいいのに!”の歌詞が、高校生の頃から10年間一緒に過ごしてきた彼らの深い絆を表しているようで、胸が熱くなった。(岩田知大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年2月号より)
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