これはすごい。「ヘヴィとダークの限りを尽くしたような爆音と背徳的＆退廃的なイマジネーションの世界を、ここまで胸がすくほど爽快に響かせることができるのは9mmだけだ」というような呑気な評論をしている場合ではなくなった。9mmがヘヴィなのかキャッチーなのか。あるいは「ヘヴィと書いてキャッチーと読む」的な構造なのか、そんなことはこの新曲“Cold Edge”を聴いた瞬間にどうでもよくなる。というか、４人の闘争心と向上心と悪ノリでその両極を完全に掌中に収めたとしか思えない。そんな曲だ。『VAMPIRE』収録の“Hide & Seek”に続く中村和彦作曲による“Cold Edge”。ハード・エッジなカオスを渾身の三三七拍子のキメでロックの彼方へとぶん投げるような、あるいはこの世界を鼓舞し煽る三三七拍子のアッパーな狂騒感とともにどす黒い闇の底へと落ちていくような、巨大で危うい悦楽の体験。光だろうと闇だろうと、触れる物すべて怒濤のロックに変えていく今の9mmそのもののような壮絶な名曲。そして、カップリングにはなんと９月９日武道館公演のライブ・テイクを緊急最速収録！（高橋智樹）