【10リスト】9mm Parabellum Bullet、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!

【10リスト】9mm Parabellum Bullet、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!
身も心も焦がすほどのロックの衝動を、メタル/ハードコアを彷彿とさせるエクストリームな爆発力と、歌謡曲にも通じるメロディアスな旋律に重ね合わせて撃ち放つことで、日本のロックシーンに新たな道を切り開いてきた9mm Parabellum Bullet。それこそ「9mm以前」と「9mm以降」とでまったく視界が変わって見えるくらいに、バンドアンサンブルの概念と可能性を押し広げてきた唯一無二の音楽共同体=9mmの核心を、代表曲/重要曲10曲をピックアップしながら改めてここに記しておきたい。(高橋智樹)


①Discommunication

インディーズ盤2作品=『Gjallarhorn』(2005年)、『Phantomime』(2006年)ですでに破格の存在感を示していた9mmが、メジャーデビューEPの表題曲“Discommunication”で轟かせたのは、震撼必至のディストーションサウンドと4つ打ちダンスビートとの異次元融合体的ナンバーだった。そのエッジ感をよりいっそう研ぎ澄ませながら、9mmの音楽性がシーン丸ごと揺さぶるダイナミズムとポピュラリティを獲得した決定的瞬間と呼ぶべき1曲。リリースから10年以上の時を経てもなおライブ/フェス問わず一撃必躍のキラーアンセム。

②Termination

9mmといえば“Punishment”など轟音メタル的なスリルを連想する人は多いだろうが、そういった音楽的な「武装」を解いたところで紅蓮のエモーションを突き上げてみせた楽曲が、1stフルアルバムのタイトル曲“Termination”。廃墟の街に燃え残る不屈のロマンを、ソリッドかつストレートなロックナンバーへと編み上げたこの曲の《観覧車越しに見上げた太陽/階段は途中で消えてしまったよ》のラインでは、オーディエンスの蒼き情熱が一大シンガロングとなって渦巻き、9mmのライブ屈指の名場面を幾度も生み出している。

③Vampiregirl

いわゆる「王道ロック的なスタイリッシュなカッコよさ」とはかけ離れたフレーズやプレイも、菅原卓郎(Vo・G)/滝善充(G)/中村和彦(B)/かみじょうちひろ(Dr)の4人の辣腕プレイのせめぎ合いを通して、熾烈な強度と輝度の宿った「ロックど真ん中」として響かせることができる……という9mmならではの特色が、灼熱の狂騒感を持つリードギターの旋律へと結実した“Vampiregirl”。《悪夢まがいの現実の中で/夢見続けるのさ》という菅原の歌詞の世界観も、9mmの熱量と妖気をより鮮烈に掻き立てる舞台装置として進化していることが窺える。

④Black Market Blues

衝動も狂気も全部受け止めるかのような《ブラックマーケットブルーズでオマエを狂わせてやるのさ/やり場の無い気持ちは引き裂いて売り飛ばすぜ》の熱唱が、ラテン直系のビートの躍動感と渾然一体となって、大地を揺さぶるほどの熱狂祝祭空間を生み出していく――。「セックス・ドラッグ・ロックンロール」の時代のトリップ感とはまったく別種の、しかし抗い難いほどに胸を突き上げる高揚感を、9mmは確かに21世紀に描き出してみせた。

⑤新しい光

カオティックなまでにダーティな世界観を立ち昇らせる滝の楽曲と、そのイマジネーションを無限増幅させる菅原の詞世界&4人一丸の激烈アンサンブルが、なぜ聴く者に揺るぎなく希望を抱かせるのか?という問いへの回答そのものの1曲。マイナースケールに乗せて疾走する2ビート、音の銃撃戦の如く鼓膜と身体を震わせる高速カッティング……といった衝撃映像集的な展開を、紛れもなくリアルな「今」の表現として体現した果てに鳴り渡る《新しい光の中に君を連れて行くのさ》の一節は、ロックが鳴らし得る生命への渾身の祝福そのものだ。

⑥ハートに火をつけて

スカパンクとロシア民謡が手に手を取って逃避行するようなイントロ〜Aメロから、パワフルなキメを経てサビでは怒濤の魂の奔流へ――というアクロバティックな展開もさることながら、滝の妖艶なメロディと菅原の歌詞が燃え盛るロックの極致へデッドヒートを繰り広げるこの楽曲は、9mmのエモーショナルサイドの真骨頂と呼ぶべきバイタリティに満ちている。《孤独を燃やして 秘密を燃やして 灰にならないか 灰にならないか ほら》と突きつける迫真の歌はそのまま、当時の9mm自身のさらなる進化へ向けた闘争宣言としても響いてくる。

⑦The Silence

2ビートやブラストビートも盛り込まれたメタルシンフォニーの如き構成美と、メロディ&詞世界のドラマ性が、エモーショナルな音の激流を描き出しながら圧巻のフィナーレへと向かっていく――。2013年にリリースされた5thアルバム『Dawning』の終幕を飾るこの楽曲は間違いなく、エクストリームな音楽表現を血肉化した「衝撃の化身=9mm」の凄絶なる到達点だった。同年のROCK IN JAPAN FESTIVALのアクトでラストに披露された“The Silence”の、GRASS STAGEを壮大な戦慄と感激で包んだ激演が、今なお鮮明に胸に焼き付いている。

⑧太陽が欲しいだけ

「メンバー4人それぞれが作詞・作曲を手掛ける」という新たなトライアルに挑んだ6thアルバム『Waltz on Life Line』の中でも、ひときわ強烈な魂の加速感を備えた滝作曲&菅原作詞の最終曲“太陽が欲しいだけ”。《あらゆる壁をぶち壊して 迷いを蹴散らして/おまえの瞳の奥にある 太陽が欲しいだけ》のキラーフレーズは、リスナー/オーディエンスとの強烈なコミュニケーションを求める9mmのモードを明快に象徴している。

⑨Everyone is fighting on this stage of lonely

『Waltz on Life Line』発売直後、滝の左腕不調によりツアーの一部公演中止等を余儀なくされた9mm。しかし、その翌年にリリースされた7thアルバム『BABEL』に抑え難く沸き立つ滝の創作意欲は、「ライブ活動からの一時離脱」という状況の不安感をもあっさり覆すほどの硬質な重金属感と雄大なスケール感あふれるサウンドスケープへと結晶した。「誰もがこの孤独の舞台で闘っている」――驚愕必至の展開の果てに決然と歌われる《君の勝利を誰も望まなくても/生き残れよ 最後まで》の言葉は、困難と対峙するすべての者を奮い立たせるものだ。

⑩名もなきヒーロー

《明るい未来じゃなくたって/投げ出すわけにはいかないだろ/また明日 生きのびて会いましょう》……「9mmが贈る初の応援歌」と銘打たれた“名もなきヒーロー”で何より際立っているのは、どうしようもなく悲しみと憂いにあふれた「等身大の戦場」を脚色なく真っ向から描ききった菅原の、そして滝のダイレクトな楽曲に熱烈な演奏を寄り添わせた4人の、全身全霊傾けた存在証明そのものだ。音楽を「武装」ではなく人生そのものとして噛み締め謳歌する――という新たな9mmの闘い方を、この楽曲は如実に物語っている。

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