【10リスト】ヤバイTシャツ屋さん、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!

【10リスト】ヤバイTシャツ屋さん、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!
2018年は様々なフェスでメインステージに登場し、ワンマン公演は即日ソールドアウト。今最もチケットが取れないバンドのひとつ、ヤバイTシャツ屋さん。2019年もすでに複数のフェスへの出演が決定しており、今年も大暴れすること間違いなし。しかし「名前は聞いたことあるけど、まだ曲を聴いたことがない」という人もいるだろう。そこで今回は、彼らの楽曲の中からまずは最初に聴くべきものを絞って紹介しようと思う。もちろん、たくさんの名曲と迷曲が存在するヤバイTシャツ屋さんの楽曲から10曲だけに絞ることなどできるはずもなく、顧客(ヤバイTシャツ屋さんのファンの呼び方)の数だけ「10リスト」が存在するだろう。古参の人は、自分なりの「マイベスト10」を選ぶのもおススメだ。(野澤勇貴)


①あつまれ!パーティーピーポー

まず1曲目は、ヤバイTシャツ屋さんを代表する楽曲“あつまれ!パーティーピーポー”。印象的な≪しゃっ!しゃっ!しゃ! しゃっ!しゃっ!/shirts!えっびっばーっでぃっ!≫の歌詞でわかる通り、LMFAOの“Shots ft. Lil Jon”をオマージュしている。以前行われたメンバーの地元を回るツアーでは、開演前のBGMにメンバーが影響を受けた曲が使用されてたが、こやまたくや(G・Vo)の選曲は、dustboxなど王道のメロコアもあれば、ももいろクローバーZ、ハローキティの曲など、見事なまでにバラバラだ。この、ジャンルにとらわれず同じ「音楽」として良いものを吸収していくという自由な感性が、ロックとは畑違いなクラブミュージックのオマージュへとつながったのだと思う。

②Tank-top of the World

“We love Tank-top”、“Tank-top in your heart”、“Tank-top Festival 2019”と続いている「Tank-top」シリーズのスタートとなった1曲目は、インディーズ時代に発売された3rdシングル『ポップコーンパーティー』収録のこの楽曲。今だかつて、タンクトップをテーマにした曲でこんなにカッコ良いものが存在しただろうか(そもそもタンクトップの曲自体ほぼないと思うが)。強烈で一気にボルテージが上がるイントロのリフから、自然と体が揺れる心地よい裏打ち、シンガロング必至の≪GO TO RIZAP!≫の掛け声に、サビ直前のデスボイスと、サビも勿論だが、曲を通してライブを盛り上げるための様々な技術が入っている。今でもライブの定番曲になっているのが、ある意味当然と言えるすごい曲なのだ。

③無線LANばり便利

「『無線LAN』が『有線LAN』より便利」という、「でしょうね」なテーマから、実直なラブソング、さらには世界平和を願う歌にもとらえることができるほどの壮大な歌詞が作り上げられている。そしてサビ終わりの掛け声は、よくある「オイ! オイ!」ではなく、≪Wi-Fi Wi-Fi≫と叫んでいる。この独特な着眼点と秀逸な作詞センス、そして遊び心が、ヤバイTシャツ屋さんというバンドの大きな魅力のひとつだ。MVはこやまたくやの自宅で、見るからに低予算で撮影されているが、これは“あつまれ!パーティーピーポー”のMV撮影で予算を使い過ぎたからだそうだ。ちなみにこの楽曲は、メンバーが多大な影響を受けているORANGE RANGEの楽曲“以心伝心”に対するヤバTなりのアンサーソングとのこと。

④ヤバみ

この曲が発表される前にも、顧客にはすでにヤバTの「ロック偏差値」の高さが十分伝わっていたが、まだ一般の音楽ファンには色物として扱われていた節があった。そんな評価を吹き飛ばしたのが“ヤバみ”だ。迫力抜群のイントロから疾走感あふれる英詞は、真正面で質の高いメロディックコアパンクと言える。また、こやまは“ヤバみ”にはすごく深いメッセージが込められているのにサビで≪バみバみ≫歌っているから全然伝わっていない、と話していた。確かにそこが印象強すぎなので目が行きがちだが、≪本当に言いたいもんなんて 本当は伝わらないもんね≫、≪「歌詞に意味がないと!」「説得力がない!」/もうそんな時代じゃない!?≫と、現代の音楽や、音楽を批評する人たちへのアンチテーゼと取れるメッセージが沢山込められている。ヤバTらしい「実は深い」の代表的な1曲だ。

⑤肩 have a good day

こやまが、リアルな友達「肩幅が広い群馬くん」のことを考えながら作った楽曲。“ヤバみ”と同じシングル『どうぶつえんツアー』に収められた後、2ndフルアルバム『Galaxy of the Tank-top』では“肩 have a good day -2018 ver-”として、なんと亀田誠治がプロデュース・編曲を担当し収録された。≪人はそれぞれ違う肩幅で/称え合ってともに過ごしていくんだ≫、≪肩幅の広さを気にせずに 心の広さを大切にすることに決めました≫。人はそれぞれ違うけど、「あの人に比べて私はこう」なんて気にする必要はない。自分のペースで無理せず歩いていけば良いんだよと、ヤバTならではのアプローチで教えてくれている。

⑥ハッピーウェディング前ソング

冷静に歌詞を見ると、良い感じのカップルを≪キッス!キッス!≫と囃し立て、≪ノリで入籍してみたらええやん≫と冷やかしまくる酷い内容なのだが、「嘘をつけない」というヤバイTシャツ屋さんだからこそ生み出すことのできた、これまでのウエディングソングの概念に縛られない攻めの内容が逆に新しかったのだろう。≪きっと2年以内に別れるけど・・・≫とまさかのフレーズが入っているにも関わらず、ウエディングソングの定番に仲間入りした。また、この「難しいことを考えずにノリで行こう!」という精神は、色々悩んでしまう人に向けてのヤバTならではの応援歌としても捉えることができる。勉強や仕事、進路などで悩み煮詰まってしまった時は、一旦この曲を聴いてみて欲しい。気持ちが楽になって新たな解決策が見つかるかもしれませんよ。

⑦サークルバンドに光を

2018年1月発売の2ndフルアルバム『Galaxy of the Tank-top』収録の“サークルバンドに光を”は、こやま曰くバンドが大きくなって来ている今だからこそ歌いたかったという楽曲だ。自分たちの成長スピードを、「奇跡」、「本当に皆さんのおかげ」と言いながらも、そこには彼らなりの苦悩ももちろんあり、≪身内すら盛り上がっていない/ガラガラの客席≫、≪共演者には馬鹿にされていた≫と、決して順風満帆ではなかったことが綴られている。それでも自分たちが正しいと思うことを信じ、大きなライブハウスを満杯にできるほど突き詰め続けたヤバTは真のパンクロックバンドだと思う。≪階段飛ばしてるわけじゃない 最短のルートで突っ走れ/ステージ上では大学生のテンションで 行けるところまで/忘れたらあかん気持ちを忘れずに 大事にしまって 行けるとこまで≫。全国のサークルバンドに夢と希望を与える素晴らしい楽曲だ。

⑧鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック

“鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック”の初披露は「ヤバイTシャツ屋さん “Galaxy of the Tank-top” TOUR 2018」の追加公演で、まだタイトルが発表されてない状態での演奏だった。その時語られたのは、この曲が前述した“ヤバみ”のアンサーソングであるということだ。“ヤバみ”は、同曲のブロックでも少し触れたが、「ヤバイTシャツ屋さんの曲は中身がスカスカでメッセージ性がない」と言われたことに苛立ち、深いメッセージを込めて作成された。しかし、本人曰くその後も同じことを言われ続けたらしく、1年経って改めて同じメッセージをこの曲に込めた。このタイトルの強烈さは、「今度こそ伝われ!!!!」という念押しの意図をものすごく感じる。≪いつかヤバみな深みに気づいてくれる≫までヤバTは歌い続ける。

⑨リセットマラソン

2018年12月発売の3rdフルアルバム『Tank-top Festival in JAPAN』の中で、早くもライブアンセムの仲間入りをしているのが“リセットマラソン”だ。サウンドからはヤバTがミクスチャーバンドとしての能力が非常に高いことが伺える。ヤバTを聴いていると、マキシマム ザ ホルモンを思い出す人も少なくないだろう。こやまは、生粋の「腹ペコ」としても有名で、事務所の先輩10-FEETとの出会いも、「京都大作戦」にホルモンを目当てに遊びに行ったことがきっかけだった。この“リセマラ”に詰め込まれているスカ、スクリーム、デスボイスなどの多彩なテクニックや、転調の幅の広さなどは初期のホルモンのミクスチャーロックに通ずるものを感じさせられる。ここに来て、また新たな音楽の側面を見せてきたヤバT。その引き出しの多さには毎回驚かされる。

⑩かわE

最後を飾るのは、ヤバイTシャツ屋さんにとって初の映画主題歌“かわE”だ。ヤバTならではの表現で、映画『ニセコイ』のキュンとする感じとハッピーな雰囲気が存分に表されている。2番のしばたありぼぼ(B・Vo)のパートの歌詞を見てみると≪ほんまにせこいわ≫と『ニセコイ』のワードを入れ込む遊び心いっぱいの仕掛けがしてある。本人たちは≪古典的な表現≫と歌っているが、≪かわE 越して かわF≫や≪恥ずかC 越えて 恥ずかD≫といったアルファベットの表現は非常に秀逸なチョイスで、逆に斬新に聴こえるように作られていることがヤバTのクリエイティビティーの高さを証明している。“ヤバみ”などもそうだが、思わず使いたくなうような、そしてどこか親近感のあるキャッチーなワードセンスが、1度聞いたら忘れられないヤバTの歌の中毒性を生み出しているのだろう。
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