※2022年9月12日更新
①完全感覚Dreamer
今でもONE OK ROCKの代名詞的な楽曲として、ワンマンでもフェスでも絶大な爆発力を誇るキラーアンセムは、メンバー脱退&全国ツアー中断というバンドの苦境を経てリリースされた復帰シングルであり、己の全存在を懸けたシーンへの挑戦状でもあった。自分たちの進むべき道を切り開くために突き上げた《カベをヤミをこれからぶっ壊していくさ!!》という宣誓は今、現実と闘う者への何よりのエールとして響く。②Wherever you are
静かなアルペジオと《愛してるよ/2人は一つに》という虚飾なき言葉が絡み合うラブソングが、やがてロックのダイナミズムそのもののハイエナジーな音の景色へと続いていく、ONE OK ROCKの洋楽的なセンスとスケール感を体現する1曲。後に“Cry out”(『35xxxv』収録)や“Always coming back”(『Ambitions』収録)とともにNTT docomoのCM曲として起用され、発売から5年以上を経て注目を集めたことはご存知の通り。③アンサイズニア
アグレッシブなロックの爆走感と《ただ楽しけりゃいいってもんでもなくて/明日、明後日の自分に/何が起ころうと責任を持てるかどうかさ》《死ぬ間際に悔いは無いと言えるように/生きてたいだけ》という人生哲学が交錯しながら、聴く者すべてを前へ先へと駆り立てていく。ONE OK ROCK独特のストイシズムを、サウンドのテンションとアティテュードの真摯さの両面から物語っている楽曲。④The Beginning
USパンクの名匠=ジョン・フェルドマンにミックスを依頼するなど、「日本のロックシーン最前線」のその先を見据えたバンドのマインドが結実した6th アルバム『人生×僕=』。その口火を切るシングルとなった“The Beginning”のスリリングな疾走感と《このままじゃまだ終わらせる事は出来ないでしょ》といったフレーズからは、ロックの未踏の次元へのさらなる挑戦精神があふれ出してくる。⑤Cry out
“Clock Strikes”とともにアリーナ超級のサウンドスケープを描き上げ、ライブセットの定番曲として大合唱を呼び起こしている楽曲――だが、そのサビで歌われるイメージは《Cry out/Oh I'm burning out/Can't you hear the sound?》というシリアスなものだ。魂の嘆きや慟哭すらも、眩いばかりのロックと至上のメロディへと昇華してみせる――そんなONE OK ROCKのタフな包容力が、この曲からもダイレクトに伝わってくる。⑥Mighty Long Fall
前作『人生×僕=』からさらに踏み込んで、初の海外レコーディングに踏み切った7thアルバム『35xxxv』からいち早くリリースされていたシングル曲。バンドサウンド以外のテクスチャーも盛り込みながら、最終的にはそれらのアレンジも含めたすべてをロックの雄大な地平を切り開くための原動力に変えてみせたマスターピース。燃え盛る闘争心と、己のロックへのシビアな批評眼とが、その音の刃をさらに鋭く研ぎ澄ませている。⑦We are
今年1月に放送されたNHK特別番組『ONE OK ROCK 18祭(フェス)』のために制作され、「未成年だが選挙権(=政治に対する責任)はある」という「18歳世代」1000人の一大コーラスとの響演が実現した1曲。夢に胸躍らせ夢に傷つく世代に向けて《夢は終わり 目を覚ます時 絶望や希望も同時に目を覚ました》《自分を誤魔化し 生きることに意味はあるか》と捧げた渾身のメッセージが、世界基準のロックの音像とともに熾烈に、かつ美しく胸に響く。⑧Wasted Nights
映画『キングダム』のドラマチックなスケール感との共鳴ぶりも数多の驚きと感激を呼んだ、同作品の書き下ろし主題歌。アレンジ/制作方式含めUSポップシーン直系の手法を通して、己のロックを研磨した9thアルバム『Eye of the Storm』の中にあって、この楽曲はひときわ壮大かつハイパーなロックバラードの絶景を描き上げている。《Don’t be afraid to dive/何もせずはもっと怖い》……ロックを愛すると同時にロックを批評し、ロックの存在意義を常に問い直しているONE OK ROCKのマインドを、何よりその歌とサウンドが克明に物語っている。⑨Save Yourself
ソリッドなサウンドと楽曲自体の切迫したモードを通して、10thアルバム『Luxury Disease』の強靭なロックモードをいち早く印象づけた楽曲。前作『Eye of the Storm』で培った、ロックを量子化するようなハイブリッドな質感も含め、これまでのONE OK ROCKの足跡すべてを「最新最強型のロックの衝動」へと結晶させたような、剥き身の熱唱とバンドサウンド。2020年代の世界的なロック回帰モードの「その先」を見据えて疾駆するONE OK ROCKの、プリミティブにしてイノベーティブな一撃だ。⑩Mad World
6thアルバム『人生×僕=』以降、英語主体で歌詞を紡いできたONE OK ROCKの音楽において、ほぼ全編日本語の歌詞が存在感を放つ、10thアルバム『Luxury Disease』収録曲。「青春という名の混沌」の真っ只中にある少年期の焦燥感を、尾崎豊“15の夜”のイメージと重ね合わせながら、軽快なクラップが鳴り渡るビートの果てに、聴く者をアグレッシブなリフの嵐へと導いてみせる。《そして僕も君に話した/あの壮大な夢のゴールはきっと/そう遠くはない!いつかまた話をしよう!》……少年時代の自分と時間を超えて語り合うようなリリックはそのまま、壁にぶち当たって思い悩むすべての人へのリアルなオマージュとしても響くはずだ。現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』10月号表紙巻頭にONE OK ROCKが登場!
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