【完全レポ】ONE OK ROCK、11万人動員の渚園、圧巻のフィナーレまですべてを観た!
2016.09.12 19:10
ONE OK ROCKが、9月10日~11日に渚園で野外ライブ「ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN」を行った。RO69では、11日の模様をロングレポートでお届けする。
●セットリスト
1.Re:make
2.じぶんROCK
3.Cry out
4.Clock Strikes
5.20 years old
6.Deeper Deeper
7.Let's take it someday
8.カゲロウ
9.Always coming back
10.the same as...
11.Be the light
12.C.h.a.o.s.m.y.t.h.
13.[INST]
14.Take me to the top
15.アンサイズニア
16.Taking Off
17.The Beginning
18.Mighty Long Fall
19.Nobody's Home
(アンコール)
1.Wherever you are
2.キミシダイ列車
3.完全感覚Dreamer
「僕らメジャーデビューして9年になりますが、これだけの光景が、まさか今日この日に広がるとは、9年前のあの頃は……しっかり思ってました! いつかこの光景が、俺らの眼の前で、ワンマンライブで繰り広げられることを確信してました!」
巨大なステージの上から万感の想いを伝えるTaka(Vo)の言葉に、見渡す限りの大歓声が沸き起こっていく――。
1日5万5千人、2日間で実に延べ11万人に及ぶファンが、静岡県浜松市のアウトドア施設「渚園」に集結して開催された、「ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN」。その2日目の会場に広がっていたのは、「ONE OK ROCK史上最大規模のワンマンライブが生み出す熱狂」を遥かに超えた、ロックバンドの理想そのものの風景だった。
Tomoya(Dr)、Ryota(B)、Toru(G)、そしてTakaが舞台に登場、“Re:make”を轟かせた瞬間から、トータル2時間半を超えるライブの終演まで、5万5千人オールスタンディングの観客が魂のクライマックスとでも呼ぶべき爆発的なエネルギーに包まれていたこの日のアクト。
“じぶんROCK”のエモーショナルな熱唱にフィールドが揺れ、“Cry out”“Clock Strikes”の雄大なメロディとアンサンブルが高らかなシンガロングとともに響いていく……「曇り後雨」という事前の予報を覆し、灼熱の晴天に恵まれた渚園の熱気が、1曲1音ごとに歓喜と祝祭の色を増していく。
何より驚かされたのは、冒頭のTakaの言葉を体現するかのように、そのソリッドでハイパーな楽曲のすべてが、この巨大な空間で鳴り響く瞬間を待ち受けていたような、途方もないスケール感をもって鳴り渡っていたことだ。この風景を夢見ていたからこそ、彼らはここまでひたむきに前進し続けることができた――というONE OK ROCKの在り方を、4人のアグレッシブな歌とプレイがダイレクトに伝えていた。
「ちょっと懐かしい曲も……」とTakaが20歳の時の曲“20 years old”を披露したり、1stアルバム『ゼイタクビョウ』から“カゲロウ”の清冽なサウンドを響かせたり、といった初期ナンバーも盛り込みつつ、ライブ定番曲“Let's take it someday”では「3、2、1、ジャンプ!」のコールとともに5万5千人を大ジャンプへと導き、“Always coming back”で力強い大合唱を巻き起こしてみせる。
「もうちょっと前を振り返れば20万人とかさ、1日で10万人とか、いろんなことやるアーティストがいると思いますけど……間違いなくこの2日間・11万人、このライブが、今までロックバンドがやってきたすごい規模のライブより一番ヤバくて、一番カッコいいです!」とあふれる想いを伝えるTakaの叫びに、熱い拍手喝采が広がっていく。
ライブ中盤には、PAテントの上に設けられたセンターステージに移動してアコースティック編成で“the same as...”“Be the light”を披露したり、大会場ならではの見せ場も次々に飛び出し、陽が傾き涼しさを増した会場はなおもむせ返るほどの熱気に満ちている。
Takaがアコギ弾き語りで歌い始めた“C.h.a.o.s.m.y.t.h.”の《相変わらずあの頃に話した/夢を僕は追い続けてるよ》のフレーズが、この壮大な風景と重なり合うように広がった。胸が震えた。
Toru/Ryota/Tomoyaの激烈セッションに続けて、“Take me to the top”“アンサイズニア”連射からライブは一気に終盤へ! 「ここらへんで新曲どうですか?」と鳴らしたのは、9/16配信リリースの新曲“Taking Off”。ヘヴィ&ミステリアスなミドルテンポのグルーヴ感と鮮烈な覚醒感に満ちた音像が、常に己の表現を研ぎ澄ませ続けるONE OK ROCKの「今」をリアルに物語っていた。
「ありがとう、渚園のみなさん! 今回のライブに懸ける想いは伝わったでしょうか?」……“The Beginning”“Mighty Long Fall”で圧巻の狂騒空間を描き出した後、Takaが語る。「この光景は、決して当たり前ではありません。諦めずに走り続けて、そしていろんなことを乗り越えた上で見れる景色だと思ってます。でも……この景色は、僕らにとって、まだまだ通過点に過ぎません!」。そんな決意の宣誓に、惜しみない拍手が広がる。
本編のラスト、「僕という生命体をこの世に産んでくれた人に向けて作った曲です」というTakaの言葉とともに響いた“Nobody's Home”の凜とした歌とアンサンブルが、フィールド一面の歌声と織り重なって、至上のロック名場面を生み出していた。
アンコールでは“Wherever you are”から“キミシダイ列車”、そして舞台狭しと打ち上がる花火とともに“完全感覚Dreamer”で堂々のフィナーレ! ロックの歴史に深々と刻むべき今回の「ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN」、そのライブの模様は2016年11月20日(日)にはWOWOWでオンエア決定! また、2日目の熱演にさらに詳しく迫ったライブレポートが、2016年9月30日(金)発売の『ROCKIN'ON JAPAN』11月号に掲載されるので、そちらもお楽しみに。(高橋智樹)