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TVアニメ『違国日記』は、人見知りの女性小説家、高代槙生とその姪である両親を亡くした少女、田汲朝の物語。“ソナーレ”はそのオープニング主題歌として書き下ろされた。やわらかなピアノの調べとTOMOOのアルトが穏やかに響く歌い出しは、戸惑いながらも新しい生活を受け入れる小説家の心情が描かれているよう。そしてグッとあたたかい空気が流れこんでくるように響く鮮烈なサビの歌声は、日常の景色の変化を表す。理屈ではなく感覚的に、メロディとサウンドがそれを悟らせるのだ。その瞬間を歌詞で《世界がほどける音がかけてくる》と表現しているのも見事。さらに《朝がくる 朝がくる》と続く歌詞は二重の意味を伴って、自分の生活に入ってきた他者がかけがえのない存在となったことを感じさせる。アニメ作品に寄り添った曲でありながら、誰もが誰かを思い浮かべて聴く、普遍的なあたたかさを持つ楽曲だ。TOMOOの描く世界観と『違国日記』のテーマとが美しく強く融合する、素晴らしいタイアップだと思う。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年3月号より)
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