【10リスト】go!go!vanillas、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!

【10リスト】go!go!vanillas、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!
牧 達弥(Vo・G)、長谷川プリティ敬祐(B)、ジェットセイヤ(Dr)、柳沢 進太郎(G)による4人組バンド、go!go!vanillas。彼らは、UKロックや日本のフォークミュージックなどをルーツとしながらも、多数のジャンルを呑み込み、昇華。音楽に対する好奇心や探求心をエンジンとしながら、「喜怒哀楽を偽りなく鳴らす」という意味でのロックンロールを信条としてきた。ライブ活動や音源リリースを通じ、着実に人気を集めている彼ら。ここではライブ定番曲を中心に、バンドのディスコグラフィから10曲を紹介していきたい。入門編としてこの10曲をさらったあとは、他の曲も聴き進めることをおすすめする。(蜂須賀ちなみ)


①人間讃歌

インディーズ時代のアルバム『SHAKE』に収録。UKロックからの影響が色濃く反映されたカラッと明るいサウンドと、《今は昔/アラビアの少年少女は》と物語のように始まる歌詞との掛け合わせが特徴的だ。バンドのホームページに各メンバーのフェイバリットアーティストが記載されているように、彼らはルーツミュージックへの愛に溢れるバンドである。しかし様式美をなぞることに留まらず、この頃から既に、自分たちならではの表現を掴んでいたことが『SHAKE』を聴くとよく分かる。

②エマ

スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2014」出演バンドに抜擢され、KANA-BOONキュウソネコカミSHISHAMOとともに全国をまわったバニラズ。同年夏にリリースされたこの曲は、ツアーを通じて邦楽バンドシーンの現状を把握したあと、「それなら俺らはどうする?」という視点から考え、制作した曲とのことだ。タイトルの“エマ”とはエマージェンシー(緊急事態)の略。情報の波に揉まれ、やがて考えることをやめ、自分に必要なもの・自分の好きなものを自らの意思で選べなくなることに対する危険性が歌われている。歌詞はわりとシビアだが、曲調がそれを感じさせないほど軽快であるのがポイント。このバランス感はバンドのメインソングライター・牧のこだわりであり、“エマ”はそういう彼の作家性が分かりやすく表れている曲といえるだろう。

③マジック

メジャーデビュー作にあたる1stアルバム『Magic Number』に収録。ウエスタン系のギターリフが特徴的であるほか、バニラズの曲のなかでもテンポが速い曲の部類にあたり、パンクに通ずるテンションもある。ライブでは序盤に披露され、火付け役を担うことも多い。歌詞ではバンドというものに彼らが惹かれている理由、すなわち音楽の魔法について描かれている。《とめどもなく涙が 溢れだすのに笑いが絶えぬ/そんな場所 探してる あるでしょうか? この辺りに》という歌い出しからしてロックバンドファンとして共感せざるを得ないし、この曲を楽しそうに演奏しているメンバーの姿を見ると、どうしようもなくグッときてしまう。

④カウンターアクション

2015年7月、前任ギタリストの宮川怜也が脱退し、柳沢が加入。新体制となってから初めてのシングルの表題曲。半ばソロに近いイントロをはじめ、全編を通してギターが前面に出ているのが特徴的。これからバンドがどうなるのか誰もが気になっていたタイミングで、柳沢がバニラズの新たな動力源となっていることを真正面から示すような曲をリリースしたところに、音そのものでファンを安心・納得させようというバンドの気概と誠意を感じる。新体制が発表されてからすぐにお披露目ライブをやっていたのも同様の理由だろう。反骨精神を描いた歌詞も情熱的だ。

⑤デッドマンズチェイス

作曲はプリティ、作詞は牧とプリティ。シングル『カウンターアクション』のカップリング曲であり、メジャー2ndアルバム『Kameleon Lights』初回盤のみ収録のボーナストラック。前者は牧とプリティのツインボーカルだが、後者はメンバー全員がボーカルをとる譜割りになっている。「コーラスがいいバンドはカッコいい」、「みんなで歌えるようになるといいかも」と当初からメンバーは言っていたが、前のバンドでボーカル&ギターだった柳沢が加入したことにより、その方向性が一層推し進められたようだ(後に柳沢がメインボーカルを務める曲がリリースされる)。ライブでは4人が歌うバージョンで披露されているが、ほとんどのライブの場合、セイヤは感情が昂りほぼシャウト状態になっている。セイヤがしっかり歌っているのを聴けるアルバム音源はある意味希少なのかもしれない。

⑥おはようカルチャー

対バン経験もあり、以前から親交があったストレイテナーホリエアツシがプロデュースした曲。「ライブでの光景をイメージできるような、そしてバンドの支柱となるアンセムみたいな曲が作れたら」というテーマありきで制作されたこの曲は、実際にバニラズのライブアンセムとして浸透していった。透明感と開放感を兼ね備えたサウンドがバンドに新たな風が吹いたことを示唆させているが、この曲の最も大きな特徴は何と言ってもコーラスだろう。なかでもオープニングが印象的で、声という人間の内側から発せられる音特有の力強さ、別々だったはずのそれらが同じ旋律を歌うことによって生まれる底知れない魔力みたいなものが詰まっている。

⑦平成ペイン

2017年――「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が公布され、2019年に平成から改元されることが定められた年――にリリースされた、メンバー全員平成生まれのバニラズによる、平成最後の平成ソング。《輝く炭酸の泡》(=バブル)、《叶わぬ運命と氷河に呑まれ》(=就職氷河期)など、時代を表すワードを盛り込んだ歌詞は皮肉もユーモアも満載。サビのラストには《この暗闇に目が慣れているのは僕らさ》と、景気の悪い時代をどうにか生きるしかなかった世代目線での希望が歌われている。この曲をシングルとしてリリースしている時点で自分の時代は自分で作ろうというメッセージが感じられるが、何かをなぎ倒さんとする勢い溢れるイントロからして演奏の熱量も高い。メンバーが首相、官房長官、内閣広報官らに扮したMVはコミカルで、ファンからの人気も高い。

⑧SUMMER BREEZE

両A面シングル『SUMMER BREEZE / スタンドバイミー』に収録。リリースは5月だが、全国のフェスで積極的に披露され、ライブを通じてバニラズの夏ソングとして定着していった。タイトルからのイメージ通り、“SUMMER BREEZE”は、青い空の似合う爽快なアッパーチューン。一方、歌詞に焦点を当ててみると、心を開いてあなたと音楽を楽しみたいという想いが描かれた1番Aメロや、《しょげたことも活かせ 生み出すことに》という牧の作家魂が垣間見えるフレーズなど、本質的なことが綴られている箇所も多い。バニラズの夏ソングといえば、この他にも“なつのうた”(『SHAKE』収録曲)が挙げられる。“SUMMER BREEZE”とはまた異なり、夏特有のノスタルジーが表現されているこの曲もぜひおすすめしたい。

⑨No.999

ブロックごとに派手に色を変えるはちゃめちゃな展開に、意識をぶん回されている間に終わる、高濃度のアッパーチューン。「感性を殺すんじゃない」と社会へ、そして自分自身へ警鐘を鳴らす歌詞は相変わらずユーモアを忘れていないが、それでもいつも以上に筆致が鋭く、牧の強い意志が読み取れる。リリースの約1ヶ月前、2018年末には「事故に遭ったプリティが意識不明の重体となる」というショッキングな出来事に直面したバニラズ。そんななか、バンドを止めない決断をした3人や、復帰に向けてリハビリに励んだプリティのことを、“No.999”という曲の存在が勇気づけたのだった。バンドにとってもファンにとっても大切な曲なのはそのためである。なお、プリティは2019年10月、全国ツアーの名古屋公演で完全復活を果たした。

⑩パラノーマルワンダーワールド

4thアルバム『THE WORLD』に収録。「恋」、「愛」、「狂気」、「夢」という4つのワードを主軸としながら「人間とは」、「人生とは」を語った2019年版“人間讃歌”。例えば、未知に出会い心がざわめく瞬間。心臓を抉る苦痛に直面したときの崖から突き落とされるような感覚。それらの壁を乗り越えたときに初めて訪れる、一生をかけて向き合おうと思えるものとの出会い――。それらすべてを抱きしめて、前へ進もうとする人の心の美しさが、明るくも純度の高いサウンドで表現されている。太陽が昇る瞬間を音にしたみたいなイントロのギターからして非常にドラマティック。過去の曲に登場する単語を盛り込んだ歌詞にも注目だ。
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