ミニアルバムの1曲目に収録されている“ロックンロールに恋をしたんだ!”は、憧れのバンドを自分の心の支えにする、バンド好きな人なら誰しもが共感できる音楽愛に溢れた曲になっているのだが、歌詞にはこうも綴られている。
《あの子は成績が良くて/あの子はバイトリーダーで/私にはなにができるの?/私には歌がある》
たった1年というバンド歴や、可愛らしい声質や雰囲気からは想像できないほどに、もう自分が「支える」側の存在になるのだと自覚的に歌っていることにハッとさせられた。自分がロックバンドの虜になったからこそ、ロックバンドに歌ってほしい、宣言してほしい言葉を引き寄せることができるのだろう。きっとロックバンド好きな人の気持が誰よりもわかるから、「応援したい」と思わせるオーラを自然と纏い、人を寄せ付けているのではないだろうか。
《私が支える番だ》──その純粋な気持ちのまま、らそんぶるのロックンロールをもっと多くの人に響かせてほしい。(有本早季)
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