現在発売中のロッキング・オン3月号では、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。
「自分はたくさんの人々ととても深く繋がっている。そう感じてたんだけど、その多くが木っ端みじんになった」(フリー)
ミラノの豪奢なフォーシーズンズホテル。その中の一般人は立ち入り禁止の一室で、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのギタリスト、ジョン・フルシアンテはヘロインをやめるために試した彼流の変わった手法を説明している。「とにかくハッパを吸い酒を飲んで、ヘロインをやめようとしたことがある」と、ややモゴモゴした口調で彼は言う。「代わりにスピード(※覚醒剤)だの色んな薬物を摂り、それからクラックコカインも吸ってごまかして、ヘロインはたまにちょっとだけ、そうやって断とうとしたり。コカインを皮下注射したこともある。このままじゃ死ぬな、それは自分でも分かってた。あれは1月の話で、ドラッグをやり続けていたら、俺は3月までにはまず確実に死んでるだろう、と思った。そこで、ドラッグに一切頼らずにやめることにしたんだ」
そこから5年が過ぎた現在、ジョンにはドラッグ使用に戻る根拠はないし、人々から愛されているのは間違いない。フィラ・フォーラム(※イタリア最大級の屋内アリーナ。現名称ウニポル・フォルム)でのチリ・ペッパーズ公演のチケットの需要はすさまじく、偽造チケットを売る者まで出たほどだ。一方で、ドナテラ・ヴェルサーチからはバンドに服が山ほど贈られてきて、そこに添えられた直筆のメモには、ロック界で最もクールな生存者たちである彼らに私のキャットウォークに登場してもらえたら嬉しい、との丁寧なメッセージが書かれていた。それは世界中どこも同様で、特にUKでは、昨年7月のリリース以来『バイ・ザ・ウェイ』はチャートのトップ10から落ちたことがほとんどなく、既に全世界で800万枚の売上を達成している。前作『カリフォルニケイション』(99)を確実に上回ることだろう。
事実、ハードにロックしつつ、大きな痛みから生まれた超越的な美にも満ちたこのアルバムは、今から20年前にLAで集まった学校友だちがパンク、ファンク、アバンギャルド、ディスコ、ジャズ、そしてあらゆる類いの刺激物をミックスし始めて以来の彼らのキャリアの縮図だ。近頃のチリ・ペッパーズは、これまでにないほど良い状態にある。バンドの四分の三——ジョン、シンガーのアンソニー・キーディス、ベーシストのマイケル・バルザリーことフリー——にはヘロイン中毒の歴史があるとはいえ、ドラマーのチャド・スミスのなかなか消えない道楽である喫煙と飲酒を除けば、現在の彼らは実にヘルシーだ。あまりに健康的で、ジョンはホテルが用意したビスケットに含まれた脂肪分の量を心配するほどだ。
彼らの残してきた足跡はアップ/ダウンの連続だ。とどのつまりこのバンドは、いくつものトレンド、ドラッグ問題、狂気、7人のギタリスト、神経衰弱、7万ポンドもの費用をかけた歯列修復手術(ドラッグ濫用によりジョンは歯をなくした)、そしてひとつの死(バンド創立時からのギタリスト、ヒレル・スロヴァクは88年にヘロイン過剰摂取で亡くなった)を乗り越えてきたのだから。ジョンがオーバードーズを起こし、実質心臓が一時停止した回数まで含めると6つの死という勘定になる。
(以下、本誌記事へ続く)
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