【10リスト】SUPER BEAVER、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!

【10リスト】SUPER BEAVER、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!
メジャーレーベルに所属していた時期を経て、インディーズでの活動を選んだSUPER BEAVER。苦難の日々を過ごした後、たくさんのファンに愛されるようになっていった軌跡は、様々な曲に込められているメッセージと完全にリンクしている。そんな彼らを語る上で欠かせない10曲を選んでみた。とても誠実で真っ直ぐな活動を重ねてきたバンドであることが、この曲たちと向き合うとよくわかるはずだ。(田中大)


①シアワセ

SUPER BEAVERは、2009年から2011年にかけてメジャーレーベルに所属していたが、メンバーたちにとって苦難の日々だった。そんな頃に彼らを支えた曲が、2009年11月にリリースされたメジャー3rdシングルの表題曲、メジャー1stフルアルバム『幸福軌道』にも収録された“シアワセ”だ。2018年6月にリリースされたアルバム『歓声前夜』にも再録音源が収められている。かけがえのない曲であるということは、2018年4月30日に行われた初の日本武道館ワンマンライブでの渋谷龍太(Vo)の言葉にも表れていたので、紹介しておこう。「メジャーにいた頃、『これなんじゃないか?』と胸を張ってやってた曲。今日も胸を張ってあなたの前でやれそうなので、やってもいいでしょうか?」――観客に問いかけてから披露された“シアワセ”は、とても印象深い一曲であった。

曖昧模糊とした未来が突きつけてくる不安、迷いと向き合っている“シアワセ”の歌詞の中には、《誰もが抱いてる 矛盾のその先に/僕にとって/君にとっての/シアワセが 待ってるだろう》というフレーズが出てくる。この曲が最初にレコーディングされた頃、SUPER BEAVERも未来がよく見えないままもがいていたはずだが、進んだ先には武道館でのワンマンライブが待っていて、たくさんのファンに祝福される空間が広がっていた。彼らもステージ上で「歌っていたことは嘘じゃなかった」と感じたのではないだろうか。“シアワセ”は今後もSUPER BEAVERを支え続けるだろうし、ファンにとっても特別な曲であり続けるに違いない。

②東京流星群

2012年に自主レーベル・I×L×P× RECORDSを立ち上げて、新しい環境での活動を始めたSUPER BEAVER。同年7月にはアルバム『未来の始めかた』をリリース。ライブ活動も精力的に繰り広げていた。インタビューの際にこの頃のことについて渋谷に訊いたことがあるのだが、アルバイト、機材車の購入、運転、ライブハウスのブッキング、対バンの出演オファーなど、全てが楽しくて仕方なかったと言っていた。何から何まで自分たちの手でバンドを動かして、観客の一人ひとりに心を込めて音楽を届ける喜びを取り戻したのが、この頃の彼らだ。そして、彼らに魅了される人々の輪は、着々と広がっていった。

2013年4月にミニアルバム『世界が目を覚ますのなら』をリリース。この作品に収録されている“それでも世界が目を覚ますのなら”も人気の高い曲だが、「SUPER BEAVERのライブって、すごくいい!」ということをストレートにたくさんの人々に体感させたという点で、“東京流星群”の存在は非常に大きい。観客とメンバーたちが《東京流星群》と大声で歌いながら活き活きとした表情を交わし合うライブの風景は、本当に美しい。「SUPER BEAVERのライブに欠かせない曲といえば何?」とファンに訊いたら、いろいろ挙がるだろうが、「やっぱ“東京流星群”でしょ!」という答えに異論を唱える人はいないと思う。

③ありがとう

eggman内に発足した新ロックレーベル[NOiD]から2014年2月にリリースされたアルバム『361°』。その中の一曲“ありがとう”は、SUPER BEAVERが活動を重ねる中で、存在感を増し続けている。このバンドの幅広い作風の中で、常に貫かれている「想いを真っ直ぐに届ける」という姿勢を、聴く度に強く実感できるのが“ありがとう”だ。

《見つけてくれて ありがとう/受け止めてくれて ありがとう/愛してくれて ありがとう》というようなフレーズに代表されるように、この曲の歌詞は、全体的にとてもシンプルに綴られている。そして、それはSUPER BEAVERの実像とも鮮やかに重なる。「綺麗事だよ」と揶揄されることを恐れず、伝えたい気持ちをシンプル且つありのままに表現し続けてきたのが、このバンドの軌跡だ。その歩みは速いものではなく、器用だったとも言えないのかもしれない。しかし、彼らは誠実に一人ひとりの観客と向き合いながら進んできた。そんなことを感じさせてくれる“ありがとう”がライブで演奏されると、ファンからの「ありがとう」という想いも、ステージを温かく包む。あのひと時は、いつもグッと来るものがある。

④らしさ

テレビアニメ『ばらかもん』のオープニングテーマとなった“らしさ”。この曲が我々に問いかけてくるのは、「自分らしさとはなんだろう?」ということだ。個性的であろうとするほど「他人とは異なる」ということが目的となっていき、不自然な形で本来の自分を見失っていく結果にも陥り、ただただ空虚さが募っていく……というのは、多かれ少なかれ、誰もが経験したことがあるのではないだろうか? 

《始めから 探すような ものではないんだと思うんだ/僕は君じゃないし 君も僕じゃないから》というフレーズが、悩み多き我々に示してくれるものはとても大きい。「同じ人間なんてどこにも存在せず、たくさんのすれ違いも生まれるが、だからこそ人間同士は手を取り合って愛を育むこともできるのでは?」と問いかけてくるこの曲は、《変わらない 大切があるから》と、何があったとしても失われることがないものの尊さに光を当てて、穏やかなエンディングを迎える。SUPER BEAVERのメインソングライターである柳沢亮太(G)の書く歌詞は、たくさんのことに気づかせてくれるフレーズの宝庫だが、その代表例として挙げることができるのが“らしさ”だ。じっくりと歌詞と向き合いながら聴くことをおすすめしたい。

⑤証明

先述の通り、SUPER BEAVERの曲の大半を手掛けているのはギターの柳沢だが、ボーカルの渋谷、ベースの上杉研太、ドラムの藤原“31才”広明の気持ちも深く込められた歌、音となっている。そんなことを実感させられる曲のひとつが“証明”だ。ライブで披露される際、メンバー全員が歌っているのが見える度に、胸に迫るものを感じている人は少なくないと思う。そして、そういう人々による大合唱の輪が広がっていく様も、実に感動的なものがある。普段、表に出すことがないまま胸の内で渦巻いている感情に言葉を与えてもらえて、それを思いっきり開放する喜びも得られるというのは、SUPER BEAVERの音楽の魅力のひとつだ。この曲には「シンガロング」という言葉が本当によく似合う。

“証明”の歌詞で重要なキーワードとなっているのは、《一人》と《独り》。音としては同じで、似通った意味ではあるが、両者の間には大きな差異があることが、聴き進めていく内によくわかる。他の誰でもない「個」を意味する《一人》は、「別の一人=個」と触れ合うことによって満たされ、互いに輝き合うこともできる。しかし、他者との関わり合いを遮断する《独り》という状態からは、「一人の人間である」という「個」としての実感は得られず、「生きている」という実感すら生まれない――ということが、この歌詞では描かれている。《産まれて死ぬまで一人なのは 誰も独りきりでは無いという「証明」》というフレーズは、「愛」というものを広い視点から捉えていると言っていいだろう。一般的な意味でイメージされるようなラブソングではないのだと思うが、“証明”をラブソングとして位置付けても見当外れではないと思う。

⑥青い春

2016年6月にリリースされたアルバム『27』は、表題曲“27”に代表されるように、ある程度の人生経験を積んで、「大人」と称される年齢に達した人間の感情が、様々な形で描かれている作品だ。子供の頃は自分とは全く異なる価値観を抱きながら生きているように思えた「大人」。しかし、彼らは各々の形で成長していて、社会的な責任も果たしている一方で、本質的には子供の延長線上の部分も少なからず持っている。子供の頃からずっと自分にとって大切な何かを一層大切にできるようにもなるのが、「大人になる」ということだ。そういう姿を、『27』に収録されている様々な曲は映し出す。

いろいろな解釈の仕方があるのだろうが、“青い春”は、タイトルから想起される「青春ソング」というものとは、少し趣きが異なる気がする。青春時代の風景が主軸となっているのがいわゆる「青春ソング」だが、この曲が真の意味で浮き彫りにしているのは、ある程度の年齢に達した「大人」の胸の内で湧き起こっている感情だ。自分を衝き動かす力の源となっている瑞々しい日々、今でも側にいるように感じられる《あなた》――そんな存在を思い浮かべながら、現在の自分自身を見つめているのが、“青い春”なのだと思う。アルバム『27』のテーマが、粋な切り口で捉えられている。

⑦秘密

先ほど“証明”に関して、「シンガロング」という言葉が、本当によく似合うと書いたが、“秘密”も、そういう曲だ。メンバーの歌のユニゾンが盛り込まれていて、観客の大合唱も誘う“秘密”が収録されているアルバム『27』には、他にも“うるさい”や“じぶんまかせ”といった、一緒に歌いたくて仕方なくなる曲がいろいろある。こういう作風が色濃くなった理由について、柳沢は「自分たちの中だけじゃなくて、聴いてくれる人も含めて『共有したい』っていうのが、今すごくあるんです。同じものを声にして歌うのって、すごくエネルギーがありますから」と、『27』に関する取材をした際に語ってくれた。“秘密”も、「共有できた!」という喜びを目一杯に噛み締めさせてくれる。

この曲は、胸の奥にしまったままにしてしまいがちな素直な感情から目を背けず、堂々と表に出すことを呼びかけてくれる。ライブの際に思いっきり大合唱すると、たくさんの人々と想いを共有する喜びがどんどん膨らんでいく。SUPER BEAVERは歌詞の言葉だけでなく、「ライブ」という体験自体にもメッセージを託すことができるバンドなのだ。

⑧美しい日

SUPER BEAVERの曲には、メンバーが発した何気ない言葉が反映されることがよくある。“美しい日”が生まれたきっかけも、まさしくそういうものであった。2016年4月10日に、SUPER BEAVERはバンド結成10周年の締め括りとして、初のZepp DiverCity(TOKYO)ワンマンライブを行った。終演直後、ラジオ番組に電話で生出演した渋谷が、パーソナリティに「どうでした?」と訊かれて、「美しい日でした」と答えたのを聴いて、柳沢は“美しい日”という言葉を心に留めたのだという。「本番のステージに上がったら、支えてくれたいろんな人たちの姿が見えたんですよね。何か本質的な美しさが集まった景色だと思いました。『今の僕らが作れている最も美しい景色なんじゃないかな? こうやって人と人が繋がっていくって素敵だな』と。そう思って『美しい日』っていう言葉が出てきたんです」――この言葉が咄嗟に出てきた理由を、インタビューで渋谷が話してくれたことがある。

なかなか思うように進めない人生の中で様々な人と出会い、心を交わし合い、喜びを分かち合えることの喜びが、この曲には満ち溢れている。ありふれているのかもしれない1日に対して湧き起こる「嬉しい」という感情のかけがえのなさを表現した《特別は そうだ 普遍的な形をした 幸せだ》というフレーズの説得力は、とても大きい。順風満帆だったとは言えないこのバンドの軌跡の中で、彼らが感じてきた想いが、この曲にはたっぷりと込められているのだと思う。

⑨ひなた

スペシャルドラマ『でも、結婚したいっ!〜BL漫画家のこじらせ婚活記〜』の主題歌となった“ひなた”。躍動感に満ちたサウンドだが、この曲が浮き彫りにするものは、かなりホロ苦い。譲れないもの、大切なもの、大好きで仕方のないものがあるからこそ、それを失ったり、傷つけられたり、自信が揺らいだ時、人は当然ながら激しく落ち込む。「何かに夢中になったりせずに、感情を押し殺したまま過ごした方が楽だよな……」と、考えるようになるのも決して不自然なことではない。しかし、そんな日々に果たして素敵な何かはあるのか? そういうことについて、この曲は考えさせてくれる。

《未来に期待しないなんて あなたを信じないなんて 寂しくてしかたない》、《自分に期待しないなんて 自分を信じないなんて 虚しくてつまらない》というフレーズが、とても良い。清々しいサウンドに身を委ねると心が少し軽くなり、「自分自身が向かうべき場所は、あそこなんだよな」と、選ぶべき道を進む覚悟も自ずと湧き起こる――そんな感覚になる曲だ。リスナーの胸の内に実は最初から存在するのに、様々な理由で押し殺さざるを得ない感情に優しく光を当てるようなところが、SUPER BEAVERの音楽にはある。“ひなた”もその代表例だと言えよう。

⑩予感

テレビドラマ『僕らは奇跡でできている』の主題歌として書き下ろされた“予感”だが、SUPER BEAVERとしての想いも刻まれている。この曲で描かれていることを端的に言い表すならば、「自分の心の声に忠実であり続ける姿勢」であり、「心の声」は、換言するならば、タイトルにもなっている「予感」だ。人生の様々な局面で、「こう行動すれば、こういう結果になるんじゃないかな?」という予感は、いろいろ湧き起こる。しかし、悪い予感の声には素直に耳を傾けるのに、良い予感の声は疑ってしまうことが多いのでは? そういうことについて、この曲は考えさせてくれる。

「予感」は漠然としているものであるがゆえに、指し示すものがワクワクする何かであったとしても、その声に従うのは容易ではない。しかし、「失敗だった!」と思うことになったとしても、その後の行動によって、掴みたかったものを手にできる可能性は残されている。そもそも、SUPER BEAVER自体が、そういうことをやってきた人たちだ。華々しくメジャーデビューしたものの挫折を味わい、解散寸前にもなったが、インディーズでの活動を選んで、たくさんの人々に愛される存在となっていった――というのは、「予感」の声に従った日々の軌跡そのものだ。そんな彼らが発するからこそ《名も無き感動に 感情に 想うがままの名前をつけていこう/名も無き感動に 感情に 気づいた意味をちゃんと愛せるように》という言葉は、とても美しく響き渡る。
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