【10リスト】BABYMETAL、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!

【10リスト】BABYMETAL、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!
世界をメタルでひとつにする――というあまりにも壮大なスペクタクルに、ダンスポップユニットという「異境」から挑んだBABYMETAL。しかし、その決然とした歌と鮮烈なアクトは国内ファンはもちろんのこと、海外のメタルファンをも魅了し続け、「ダウンロード・フェスティバル」、「レディング&リーズ・フェスティバル」、「グラストンベリー・フェスティバル」など各国の名門ロックフェス歴戦を通して、メタル×ポップのみならずジャンルや国境などあらゆる境界線を超越しつつある。自らの意志の力で可能性を押し広げていくBABYMETALの姿はまさに、今この時代に音楽が描き得る最大規模の希望そのものだ。そんなマジカルなミラクルを一歩一歩実現してきたBABYMETALの足跡に、象徴的な10曲を通して改めてフォーカスする。(高橋智樹)


①ド・キ・ド・キ☆モーニング

さくら学院の派生ユニット「重音部」にルーツを持つことからもわかる通り、BABYMETALは当初は「アイドルカルチャーからメタルへのカウンター」的な意味合いを強く持っていたし、そのことはBABYMETALにとって初めてのレコーディングとなった“ド・キ・ド・キ☆モーニング”とそのミュージックビデオからも伝わってくる。その一方で、「SU-METALの清冽なボーカルと重轟音のコントラスト」というBABYMETALのコンセプトは、すでにこの時点で目映い色彩感を放っている。

②ヘドバンギャー!!

《伝説の黒髪を華麗に乱し/狂い咲くこの華は はかなく消える》――「ヘドバン ヘドバン バンバンババン」のダンスパートや《15の夜》など昭和カルチャーの面影を歌詞の随所に織り込みながら、この“ヘドバンギャー!!”が(アーティストも楽曲もファンもひときわストイックな)メタルというジャンルへの突破口となり得たのは、「ツーバスとデス声が渦巻くサウンドスケープとダンスポップとの化学変化」以上に、メタルをも震撼させるSU-METALの歌の凜としたストイシズムゆえだろう。

③イジメ、ダメ、ゼッタイ

BABYMETALは「メタルとダンスポップの融合実験」ではなく、その表現自体がメタルとしてのスケール感と強度と物語性を持ち得る、ということを強烈なまでに実証した楽曲“イジメ、ダメ、ゼッタイ”。世代ならではのリアルなテーマを、躍動感あふれる渾身のパフォーマンスと《傷ついて 傷つけて 傷だらけになるのさ》という熱唱によって極彩色のダイナミズムへと昇華してみせた。聴く者の内面に手を伸ばし未来へと導く――というBABYMETALの在り方の象徴的なアンセム。

④メギツネ

ハードなリフ&ビートのメタルアレンジと、和楽器や祭囃子など「和」のアレンジがせめぎ合うメタルダンスナンバー“メギツネ”。《ヤマトナデシク 女は変わるの/顔で笑って 心で泣いて/「そうよね」って/涙はみせないの》と大人のミステリアスな世界を歌う危うい背伸び感が、和洋の垣根を無効化したサウンドの中でスリリングに弾み回る。《古(いにしえ)》、《乙女達》、《かりそめ》、《幾千の時》といったロマンチックな言葉とSU-METALの歌い回しが絶妙に響き合う。

⑤Road of Resistance

1stアルバム『BABYMETAL』での「メタルへのカウンター」期を経て、「世界中のメタルのサブジャンル探訪」的な発展を見せた2ndアルバム『METAL RESISTANCE』を象徴する激烈メロディックスピードメタルな一曲。《明日の君に歌うよ/さあ、時は来た/Go for Resistance!》と「その先」への決意を高らかに掲げる歌は、イントロでメンバーがフラッグを掲げる場面の高揚感、楽曲後半で沸き起こる一面のシンガロング……といったライブの熱量と不可分のものとして響いてくる。

⑥KARATE

ニューメタル〜ジェントの流れを導入した重厚な爆発力に満ちたサウンド。《ひたすら/セイヤ ソイヤ 戦うんだ》――ダイレクトに「戦う」というフレーズが盛り込まれたシリアスな歌詞が、SU-METALの歌を通して「限界なき前進への覚悟」としての強さを帯びて鳴り渡る。《心折られても/立ち向かってゆこうぜ》と突き上げられるバイタリティは、すでにメタルというフィールドの「内側」で燃え盛っていることが、ミュージックビデオの揺るぎない視線からも伝わってくる。

⑦THE ONE

『METAL RESISTANCE』では稀代の変拍子プログレッシブメタル“Tales of The Destinies”に続いてアルバムのラストを飾る、雄大なパワーメタルバラード“THE ONE”。ライブに集まるオーディエンスを「メタルレジスタンス」というBABYMETALのコンセプトごと《We are THE ONE》と祝福しながら、《僕らのあの場所/かなたへ》とさらなる「終わりなき挑戦」への意志を掲げる。メタルにもポップにも手の届かない規模のロマンへBABYMETALが手を伸ばした決定的瞬間。

⑧Elevator Girl

ジャジーなピアノの調べ、ドラムンベース的なAメロ部分のリズムパターン、オートチューン風のエフェクトがかかったSU-METALのサビの歌声……『METAL RESISTANCE』の先に描いた「メタル発・異ジャンルの銀河への旅」の狼煙とも言うべきアッパーな楽曲。《次は地獄に止まります》、《だからいつも命がけ》といった熾烈な言葉を、絵空事ではないリアリティを持って歌うSU-METALのボーカルに、「日本を代表する海外フェス覇者」としての澄んだ迫力が滲む。

⑨PA PA YA!! (feat. F.HERO)

3rdアルバム『METAL GALAXY』の中でもひときわパワフルな存在感を放つ、メタル×レゲトンの極限進化形的なダンスナンバー。《全身と全霊で 己を焦がせ》、《絶体と絶命で 己を試せ》と聴き手の衝動に切迫するワードと《祭りだ! 祭りだ!/SPICY SUMMER SONG SONG》の狂騒感が熱く乱反射する一曲。タイのヒップホップシンガー=F.HEROが繰り出すハードエッジなラップパートが、BABYMETALという音楽世界の融通無碍な展開可能性を目映く物語っている。

⑩Arkadia

2019年6月に横浜アリーナで行われた2DAYSワンマン「BABYMETAL AWAKENS - THE SUN ALSO RISES -」の幕開けを飾った当時未発表の楽曲は、後に『METAL GALAXY』の終幕を飾ることになる、凄絶なまでのポジティビティと闘志にあふれた“Arkadia”だった。壮麗なメロディと怒濤のアンサンブルが超速メタルの絶景を編み上げる中、《動き始めた未来の地図は君の中にある》、《光より速く 鋼より強く/使命の道に怖れなく》といった歌詞が、RPGやファンタジーの中ではなく紛れもない「今、ここ」の宣誓として響く――。果てしない理想を自らの原動力として走り続けるBABYMETAL、その魂の高純度結晶たる至上の凱歌。
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