【10リスト】Creepy Nuts、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!

【10リスト】Creepy Nuts、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!
Creepy Nutsはすべてのエンターテインメントに通ず」――そんな言葉を提唱したくなるくらい、幅広く様々な場所で活躍している彼ら。コラボや楽曲提供を通じてロック、ポップス、そしてアニメ業界にまでフィールドを広げ、数多くのフェスやイベントにも名を連ねてきた。また、彼らを語る上で『オールナイトニッポン』の話題は欠かせないほどラジオとの親和性も高く、最近はテレビやCM出演もますます増えている。こんなにもCreepy Nutsが多方面から必要とされ愛される理由は、何事にも線を引かず飛び込んでいくバイタリティが彼らに備わっていたのもひとつ。でもシンプルに、どんな時もふたりがめちゃくちゃ楽しそうだからというのが大きいと思う。音楽のプロである以前に「楽しむプロ」だからこそ、それぞれが夢中になったDJとラップの魅力をたくさんの人に伝えることが出来る。そんなCreepy Nutsの一生聴き続けられる名曲たちを、彼らの文脈とともに振り返っていきたい。(渡邉満理奈)


①トレンチコートマフィア

「トレンチコートマフィア」は、1999年にアメリカの高校で起きた銃乱射事件に関連する言葉。いわゆるスクールカーストの下層に属し、いじめの対象になっていた生徒たちによる自警団の名として知られている。≪ふさぎ込むだけじゃダメ飛び出しな 武器を持て さぁ集まれ≫――今だからこそハッキリと、この≪武器≫は拳銃やナイフのことなんかではないとわかる。Creepy Nutsが「音楽」で世の中に存在感を示してきたように、自分が好きなことや夢中になれる何かは、≪溜め込んだ恨みや辛みやルサンチマン≫をぶっ放す武器にだってなり得るのだ。

②たりないふたり

Creepy Nutsがバラエティ番組『たりないふたり-山里亮太と若林正恭-』のファンだったことから生まれたこの曲は、自分たちのキャラクターを詰め込んだ自己紹介ラップ的な作品だ。ヒップホップは生まれや育ちのマイナスもプラスにできる音楽だが、Creepy Nutsが看板として掲げたのは「卑屈」や「自意識過剰」といった内省的なコンプレックス。だからこそ確かな実力がありながら、シーンの中ではとりわけ異端だった。しかしこのアウェイさが彼らをさらにCreepy Nutsたらしめた要素であり、ヒップホップと他ジャンルを繋ぐ架け橋にもなった。

③合法的トビ方ノススメ

ヒップホップの楽曲には、ドラッグのことを書いたリリックも多々存在する。そのイメージをユーモラスに皮肉ったこの曲は、あくまで合法的に音楽を楽しむためのアッパーチューン。ほぼワンループで耳に残るトラックと、次々にキラーフレーズを畳み掛けるR-指定のスキルフルなラップは、まさにナチュラルハイを呼び起こす中毒性がある。福沢諭吉みたいな服装のDJ松永(やけに似合っている)がラジカセを持って街中を駆け抜け、危険な行為が行われている現場に乗り込むという、ツッコミどころ&きわどすぎるシーン満載のMVも最高。

④助演男優賞

ライブでもひときわ盛り上がるダンスナンバーで、“合法的トビ方ノススメ”に並ぶインディーズ期の代表曲。インディーズ時代の楽曲を集めたコンプリート盤『INDIES COMPLETE』には、SPARK!!SOUND!!SHOW!!がこの2曲にバンドリミックスを施したバージョンも収められている。自らをベンチウォーマーと称し、卑屈と自虐とルサンチマンにまみれたリリックを書いてきたCreepy Nuts。≪俺ら主役の玉じゃない…≫と言いながらも、しっかり形勢逆転を狙うこの曲の開き直りっぷりはもはや痛快だ。≪We are 蕎麦屋のかつ丼 牛丼屋のカレー/またはバナナワニ園のレッサーパンダ≫そんなフレーズがここまで気持ち良くハマるのは、ロックフェス会場を盛り上げるCreepy Nutsだからこそ。

⑤未来予想図

放送が終了してしまったテレビ朝日『フリースタイルダンジョン』は、MCバトルブームの火付け役だった。日本最高峰のMCバトル「ULTIMATE MC BATTLE」全国大会3連覇の称号を持つR-指定は、同番組にモンスターとして参戦し、最終的には般若からラスボスの座を受け継いだ。しかしその渦中にいながらも、どこか達観した眼差しでブームを見ていたことが“未来予想図”のリリックから読み取れる。「俺らが本当に信用しているのはネットでもテレビでもなく、生で俺らの音楽をぶつけて、そして返ってきた今日のこの反応」――2019年12月の新木場公演でR-指定が放った言葉と、この曲の根底にある思いはきっと同じで、それはブームが過ぎ去っても残るものこそが重要だということだ。

⑥スポットライト

メジャーデビューから約半年後にリリースされた1stフルアルバム『クリープ・ショー』は、ここまでの集大成とも言える作品だった。しかし同作のラストを飾る“スポットライト”は、Creepy Nutsのイメージを一度振り払うかのような曲で、言い訳や自信のなさに頼らず立ち向かっていく決意が感じられた。それはキャラクターの面白味が注目された分、ヒップホップという自分たちの芯をさらに強固なものにしなければという危機感からだったのかもしれない。MVも今までのコミカルさは薄れ、DJ松永の華麗な指使いやR-指定の力強いパフォーマンスをフィーチャーした作品になっている。そしてこの曲で提示した硬派なスタンスは、次の作品にも繋がっていった。

⑦よふかしのうた

もともとは「オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアー」の公式テーマソングとして書き下ろされた曲だが、のちにメジャー1枚目のミニアルバムのタイトルナンバーにもなった。≪大人達の子守唄≫はまさに深夜ラジオを彷彿するワードで、リリックには『オードリーのオールナイトニッポン』の要素も散りばめられている。まだ夜更かしに慣れていない10代の頃、深夜まで起きて何かをするのはどこか背徳チックで後ろめたい気持ちがあった。その時の昨日よりちょっぴり大人になった感覚や、昼間にはない高揚感を思い出させてくれる曲だ。

⑧生業

ミニアルバム『よふかしのうた』に収録されている“生業”は、Creepy Nutsがほとんど初めてセルフボースティングを取り入れた曲。同作がリリースされた2019年は、R-指定が『フリースタイルダンジョン』の2代目ラスボスに就任し、DJ松永が世界最大のDJの大会「DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIP 2019」のバトル部門でチャンピオンになるという大きな出来事があった。どんなに活動の幅を広げても、DJとしての腕を磨きあげることも忘れず、ラッパーとしての存在感もパワーアップさせながら、ヒップホップの普及に貢献してきた。この曲からはそんな彼らの生き様と、ここまでの文脈があってこその確かな自信が漲っている。

⑨サントラ

菅田将暉のオールナイトニッポン』にCreepy Nutsがゲスト出演したことを機に実現した、ラジオファンにとっても嬉しいコラボレーション。菅田の「“今夜はブギー・バック”のような曲にチャレンジしたい」というハードルが高い発言に負けず劣らず、まさに「人生のサントラ」として流れてほしいと思える名曲だ。≪悩み事 隠し事 私事だらけを書く仕事≫、≪悩み事 隠し事 のみ込んで笑顔でやる仕事≫。まずはラッパーと俳優という生業を表すリリックが、R-指定の緻密なフロウで交互に繰り出される。そしてサビでは菅田のパワフル且つストレートな歌声で両者の人生を重なり合わせ、カタルシスへ導くという曲構成が巧い。

⑩かつて天才だった俺たちへ

Creepy Nutsの名が存分に知れ渡り、2020年8月に満を持して放たれたメジャー2枚目のミニアルバムの核となっている曲。≪俺たち≫というのは、もはやふたりだけのことではない。あの頃はそこまで頑張らなくてもテストで良い点が取れたし、これが得意だと胸を張れるものもあったのに、いつのまにか魔法がとけるみたいに苦手分野が増えていった。それはきっとコミュニティが広がるにつれ、外の世界には自分より優れた人間が山ほどいると悟ってしまったからなのだろう。誰かと自分を比べたり、余計なプライドさえ持ったりしなければ、本当はいろんな選択肢と可能性があったはず。そんなかつて天才だったすべての人に、もう一度あの頃の無敵感を授けてくれるCreepy Nuts流のメッセージソングだ。

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2020年8月28日(金)に発売する『ROCKIN’ON JAPAN』2020年10月号の表紙とラインナップを公開しました。今月号の表紙巻頭は、あいみょんです。 そのほかラインナップは以下のとおり。 ●あいみょん 2020年、夏──あいみょんの今。 新たな傑作『おいしいパス…
JAPAN最新号 表紙はあいみょん!別冊平手友梨奈。宮本浩次/米津玄師/アレキ/フォーリミ/ポルカなど - 『ROCKIN'ON JAPAN』2020年10月号
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