【10リスト】マキシマム ザ ホルモン、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!

【10リスト】マキシマム ザ ホルモン、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!
2013年にリリースされたアルバム『予襲復讐』以降、ナヲの妊活~出産によるライブ活動休止や、映像作品『Deka Vs Deka~デカ対デカ~』のリリース、ライブ復活を経ながらも、未だ新たな音源のリリースはないマキシマム ザ ホルモン。こうして名曲10曲をピックアップして、改めて復習してみると、彼らが規定外の階段をのぼってきた道のりが、改めて見えてくる。彼らの未来を占いながら(とは言え、絶対に予想できないようなことをするのが彼らなんだけど)、この10リストを聴いてみて欲しい。
なお、もちろん他にも名曲はたくさんあるので、ここからアルバムなどを掘り下げて、それぞれのお気に入りを見つけてみてはいかがだろうか。(高橋美穂)


① 握れっっ!!

2002年にリリースされた1stアルバム『耳噛じる』に収録され、のちに2015年にリリースされた映像作品『Deka Vs Deka~デカ対デカ~』に新アレンジ&新録音して封入された『耳噛じる 真打』の中には“握れっっっっっっっっ!!”となって収録されている。
力強くも軽やかなビートから《駄目チンポ握れ!GET UP BOYS!》のシンガロングに突入していく展開は、当時、あまりにも衝撃的だった。そして月日が流れ、男も女も問わず、みんなが歌い継いできたことで、この曲は衝撃を越えたユニティ感を備えた。チンポにメッセージを込めているところ、そしてポップとヘヴィの両極に振れているところを見ると、ホルモンの土台的な楽曲になっているといえると思う。


② アバラ・ボブ

こちらも、1stアルバム『耳噛じる』に収録され、のちの『耳噛じる 真打』では“アバラ・ボブ<アバラ・カプセル・マーケッボブ>”として上田剛士(AA=)のプログラミングでリボーンした名曲。
元々は、《アバラ アバラ アバラ バラバラ ボブ》と、キュートといえるくらいポップなメロディで歌い上げるサビで、ライブに楽しさを振りまく重要ソングだと思っていたのだが(ライブで演奏がループするのもお馴染みだった)、“アバラ・ボブ<アバラ・カプセル・マーケッボブ>”からは、ホルモンのルーツと未来を同時に示唆する楽曲という意味合いも見える。そして、以前も今も、彼らの大胆さを証明しているところは不変である。

③ 恋のスウィート糞メリケン

アニメのタイアップソングだった、(彼らにしては)ポップな“ROLLING1000tOON”が1曲目に収録されているシングル『延髄突き割る』の2曲目に収録されている立ち位置の曲……にも関わらず、今に至るまで人気を集めている。その理由は、ナヲのボーカルが活かされているからだろう。
分量としては決して多くはないのだけれど、アッパーな演奏の中に挟み込まれる、《Sweet Sweet 糞メリケン》という甘いのかクソなのか謎な歌詞を歌うナヲからは、全てを飲み込んでしまうようなキャパシティーが感じられるからだ。それは彼女の魅力、そのものでもある。また、青春感がさく裂するようなエンディングもいい。


④ ロック番狂わせ

2004年にリリースされたシングル『ロック番狂わせ / ミノレバ☆ロック』の1曲目。曲名も歌詞も曲調も、彼らにしてはストレートと言えるのではないだろうか。《殺れ黒帯バンド!》、《唸れ!白帯バンド!》と高々と歌う彼らは、のちに本当に“ロック番狂わせ”を起こしたわけで……真っ直ぐに出さざるを得ないほど強かった彼らのパッションを感じる。
闘志を込めながらも、曲そのものはポップ。《YEAH!YEAH!YEAH!》とシンガロングしていく終わり方も、広がりがある。そういったあたりに、力技で済ませない、彼らのクレバーさが表れていると思う。


⑤ ロッキンポ殺し

2005年にリリースされたアルバム『ロッキンポ殺し』のタイトルナンバー。《ロッキンポ》という名言が際立つ歌詞も秀逸だが、楽曲のアレンジもとても洗練されている。パワー感だけで押し通すことなく、全員の個性と技巧を結集し、しなやかと言えるほど緩急がついた流れで展開していくのだ。
ここまでやらなければ、ロッキンポ=ロックインポは殺せない――そんな、想いを越えた念のようなものが感じられるほど、殺傷力抜群なキラーチューンである。


⑥ 恋のメガラバ

2006年にリリースされたシングルの表題曲。ホルモンの中では最大級のポップソングでありながら、それと同時に攻めた楽曲でもあると思う。攻撃性をそのまま出すのではなく、真逆の表現でも自分たちはここまでやれるんだ!というギリギリまで行き切って、結果的に“ロック番狂わせ”、“ロッキンポ殺し”を遂行した印象があるからだ。
改めて聴いてみると、昔も今もパリピになり切れない人間にとっては、夏の恋を描いているところを筆頭に、むずがゆくなってしまうポイントが多々あるのだが、自分たちの道のりの前後を見据えて、然るべきタイミングで彼らはこの楽曲を投下したのだと思うと、その的確な判断に惚れ惚れせずにはいられない。そして、そんな曲の随所随所に登場するマキシマムザ亮君なりの「夏感」(アメリカンなギターなど)にもグッとくる。


⑦ ぶっ生き返す!!

2007年にリリースされたアルバム『ぶっ生き返す』の1曲目。“ぶっ生き返す!!”と聞いて、またも亮君が名言を生み出した!と思った人は、私だけではないだろう。「ぶっ」という言葉からは、力を溜める様子や、想いを込める様子が伝わってくる。そして「生き返る」のではなく「生き返す」というところからは、能動的な力を感じることができる。
ホルモンが、いろんなものを“ぶっ生き返す!!”という発想を与えてくれた功績は、改めて振り返ってみても、とても大きいと思う。楽曲としても、激しさや重さだけではなく、ファンキーでセクシーでスタイリッシュな魅力もたっぷりちりばめられている。


⑧ 爪爪爪

2008年にリリースされたシングル『爪爪爪 /「F」』の1曲目。当時、ホルモンの真髄現る!と高揚せずにはいられなかった楽曲だ。デス声も、速さも、重さも……ロックバンド、マキシマム ザ ホルモンの刺激的な要素が、ギュッと詰まっている。それでいて、胃もたれするようなごった煮感はなく、巧妙に抜き差しされたアレンジになっているのだ。
歌詞もエロくてグロくて、なかなかに刺激的。全てにおいて、これがシングルになって出るって、ひとつの革命だったんじゃないかなあ、と今振り返ってみても思う。


⑨ 「F」

同じくシングル『爪爪爪 /「F」』の2曲目。“爪爪爪”も、上に記したようにかなり刺激的なのに、そこに追い打ちをかけるような“「F」”である。この楽曲に至っては、刺激を通り越して恐ろしい出来だ。
とあるマンガのキャラクターをモチーフにした、というだけではなく、時代を震撼させた言葉も遺憾なく連呼し、連想させる「とある世界」へ斬り込む。真正面から闘うのではなく、裏側から刺客のように現れるやり方は、彼らならではだ。また、聴き手に考えさせることで、より強大なパワーを生み出すような……ロックそのもののひとつの可能性を示唆している楽曲だと思う。


⑩ maximum the hormone

2011年にリリースされたシングル『グレイテスト・ザ・ヒッツ 2011~2011』(※シングルのタイトルです)に収録。初のセルフタイトル曲であり、シンプルに言えば、ヘヴィロックの極みだ。拳をつきあげたくなるイントロや、お経的なボーカル、ダンサブルなビート、民族音楽のようなメロディ……これらの宗教的な匂いと、彼らが築き上げた唯一無二の立ち位置が重なって、壮大に響いてくる。
ホルモンはここまで行き着いた、ということを証明するような楽曲。


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