【10リスト】アンジュルム、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!

【10リスト】アンジュルム、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!
ジャンルにとらわれない音楽性を、その卓越したボーカルとダンススキルで余すことなく表現するガールズグループ、アンジュルム。時代やメンバーの変遷とともに、進化を繰り返してきたグループだ。メジャーデビュー以降、可憐さを失わずに凛々しさを放つ彼女たちの姿には、情報が多く自分を見失ってしまいがちなこの世の中を「自分らしく生き抜いていこう」というメッセージを強く感じる。今回、S/mileageからスマイレージ、そしてアンジュルムという名義変更、10年以上にもわたる活動のなかから10曲を厳選。変化や成長だけではなく、グループそのものが持つ核にも注目してほしい。(沖さやこ)


①スキちゃん

2009年11月にリリースされたインディーズ3rdシングル。それまではミディアムテンポの楽曲が多かったが、同曲は一転。跳ねたビート感が特徴的な、非常に元気でキュートなアップテンポの楽曲に仕上がっている。当時のメンバーは中学生。《自転車》や《放課後デート》、《フードコートで/寄り道》などの中高生らしいデートの情景、彼のことで頭がいっぱいになってしまうほどの乙女心と、等身大の若々しい恋模様が眩しい。合いの手のような掛け声や台詞、《スキ スキ スキちゃん》という溌溂としたウィスパーボイスなど、隅々までフレッシュ。恋するときめきがはちきれんばかりに詰まっている。

②夢見る 15歳(フィフティーン)

プロデューサーのつんく♂より与えられた課題「目指せデビュー!スマイレージ笑顔キャンペーン」を達成し、2010年5月に同曲を表題にしたシングルにてメジャーデビューを果たす。ユーロビート風シンセをJ-POPに昇華したオケに重なる歌謡メロ。歌詞には《今年の夏は 負けない/去年みたいに 弱くない》と夏の恋へと募らせる想いが切々と描かれているが、S/mileageからスマイレージに表記を変え、メジャーデビューという新しいフィールドに飛び出すタイミングの彼女たちの比喩と考えると非常に小粋だ。《ひとりきり/イヤフォンで/音楽聴いている》や《なぜか さみしいよ》といったラインは、まだ望みを手にしていない、不安で揺れる夢見る少女の姿が克明に描かれている。

③新しい私になれ!

2013年7月にリリースされたメジャー14thシングル表題曲。どんな時も無難な選択をしてしまい冒険できない《私》と、行動も考え方もすべてが派手な《私》という両極端な女子が曲中に登場するが、ふたりとも新しい自分になるための勇気が欲しいと一歩踏み出そうとする。異なる性質を持っている人間にも、共通する悩みはあるものだ。前者の《私》は《誰かの目線なんて/気にしたくない》、後者の《私》は《本当の英雄として/生まれ変わるの》と、両者とも胸に強く持つのは燃え滾る闘志。クールな印象を与えるテクノ的なトラックが、その沸々とした空気感を増長させる。

④大器晩成

スマイレージからアンジュルムに改名し、初となるシングル曲。アンジュルムにとっては、つんく♂がプロデュースに関わらない初めてのシングルとなった。もともとは作詞作曲を手掛けた中島卓偉が自身のアルバム曲のために書いていた楽曲で、ホーンセクションなどを用いた華やかでアップテンポなファンク/ソウルナンバーに仕上がっている。なかなか結果が出ないことを《大器晩成型なんだから まあ気長に頑張りなさい》など、明快で飾らない言葉で言ってのけ、《叶えたい》や、《突き抜けたい》と力強く夢を語る応援ソング。メンバーの一糸乱れぬユニゾンがそのぶれない信念をより引き立てる。ゆえにラスサビ前の和田彩花と室田瑞希によるソロパートはいい違和感に。《何にも惑わされずに どんな時代にも流されずに》という言葉と、晴れやかで凛としたボーカルが胸を打つ。

⑤ドンデンガエシ

初期メンバーの福田花音が最後に参加したトリプルA面シングル収録曲。ピアノ×シンセ×ハードロックといったアニソン的サウンドアプローチで、《運命の 大逆転劇だ》という歌詞のとおり、少年漫画の番狂わせを興していくような世界観が繰り広げられる。苦境から這い上がるようにエモーショナルに歌い上げるのではなく、あくまでも凛とした姿勢を崩さないところに、“新しい私になれ!”や“大器晩成”などで積み重ねてきた、強い意志を毅然と抱えるグループの姿勢が出ているのでは。「どんでん返し」と言いつつもどこか勝ちを確信して笑みを浮かべるような余裕すら感じさせるところも小気味よい。

⑥次々続々

EDMを大胆に取り入れたトラックが特徴的な、アンジュルムとしては4枚目となるシングルの収録曲。アンジュルムが様々な音楽性をボーカルとダンスで表現できるグループであることをより強く印象付けるきっかけの楽曲とも言える。《次々続々》というウィスパーボイス、クールなラップ、《「ほんとは誰だっていつだって不安だよ」》や《「ほんとの気持ちはいつだってひとつしかない」》などのちょっと危うげな空気感を感じさせる台詞、サビ前の溌溂とした3カウント、分厚いハーモニーなど、彼女たちのカラフルなボーカルアプローチが同曲の重要なポイントだ。トラックと声が巧みに絡み合う、スリリングな展開を楽しんでほしい。

⑦マナーモード

アンジュルム初のBlu-ray/DVDシングル『マナーモード/キソクタダシクウツクシク/君だけじゃないさ...friends』収録曲。タイトルのとおりスマートフォンをモチーフにした楽曲で、恋する女子の気持ちが生々しく綴られている。メランコリックなメロディは、そんな臆病な姿や寂しさ、情念の化身のよう。だがアップテンポで跳ねたポップなビート感が可憐さを引き立てることで、ヒステリックになりすぎない絶妙な温度感を作り出すことに成功している。《わがまま知られて 嫌われたくなくて》という健気さ、いじらしさは、共感する人も多数いるのではないだろうか。

⑧46億年LOVE

2018年10月リリースのメジャー25thシングル『タデ食う虫もLike it!/46億年LOVE』表題曲。《結局はラブでしょ》と歌う痛快なムードに、モーニング娘。の“LOVEマシーン”の文脈を彷彿とさせる。ネガティブな空気感を吹き飛ばす、まさしくハロー!プロジェクトの真骨頂だ。サビのあとにさらに盛り上がりをつけるセクションを持ってきたり、聴き手を高揚させるゴージャスでキレのあるホーンセクションや、煌びやかなプログラミングで構築されたサウンドなど、音数が多いながらに騒がしすぎず、ダンスナンバーとして着地するのは洗練されたサウンドメイクあってこそ。エモーショナルでパワフルなボーカルが躍動感を生んでいる。

⑨夢見た 15年

結成時からのメンバーである和田彩花にとってラストとなるシングルの表題曲。2015年にグループを卒業した、和田と同期の福田花音による初のアンジュルム作詞提供曲でもある。メジャーデビューシングル曲“夢見る 15歳(フィフティーン)”を文字ったタイトルと同様に、歌詞には和田のS/mileage~スマイレージ~アンジュルムでの活動や、苦悩の時期をともに乗り越えた和田と福田だからこその本音とも受け取れる、鋭い言葉が並ぶ。だがそれは攻撃的なわけでも、悲観的なわけでもなく、すべて新しい自分へと旅立つからこそ。アンジュルムはずっと、新しい「私」に生まれ変わりながら活動を続けてきたグループ。卒業したメンバーも道は違えど、そのマインドゆえに「卒業」という選択をしたのだろう。夢見た15年を経て、女子たちはまた夢を観続けるのだ。

⑩私を創るのは私

初代リーダーで、最後の初期メンバーだった和田彩花からバトンを引き継いだ竹内朱莉を中心に、8期新メンバーの橋迫鈴を加えた11人体制初の作品となる、メジャー27thシングル表題曲。2009年4月の結成から約10年半で、シングル、アルバムを通じてグループ初のオリコンウィークリーチャート1位を獲得するなど、和田が卒業して以降の第2章アンジュルムが好発進したことの象徴的楽曲でもある。
ブレイクを効果的に用いたサウンド展開、シリアスなムードを優雅に彩るストリングスなど、歌詞、オケ、ボーカルともに《私史上 最高の舞台へと/まっさらの第2章 熱く描こう》という決意がまっすぐ表れる。それはグループはもちろん、これまで卒業したメンバーにも重なるメッセージだ。ストレートなパンチラインの多い歌詞や、熱さと冷静さを兼ね揃えた凛としたボーカルは、リスナーの心を一途に鼓舞する。今後グループ編成が変われども、時代が移り変わろうとも、彼女たちを進化へと突き動かす曲となるだろう。
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