アップビートなポップアンセム満載の新作『The Life of a Showgirl』を10月3日に発売すると発表したテイラー・スウィフト。彼氏のポッドキャスト初出演で見せた、これまでにない“素”のインタビューも貴重。

アップビートなポップアンセム満載の新作『The Life of a Showgirl』を10月3日に発売すると発表したテイラー・スウィフト。彼氏のポッドキャスト初出演で見せた、これまでにない“素”のインタビューも貴重。

テイラー・スウィフトが、キャリアで初めてポッドキャストに出演した。彼氏のトラビス・ケルシーと兄ジェイソンが配信する“New Heights”だ。トラビスと付き合い始めてから、いつか出てほしいと多くのファンが願っていたが、まさか本当に実現するとは驚きだ。しかも、その場を新作発表の舞台に選んだのだからなおさら。新作は、The Eras Tourの舞台裏での心情から着想を得た、捨て曲なしの最強ポップアルバムになる予感。

配信は開始直後からYouTubeがアクセス集中で一時ダウンし、2時間以上ある番組にもかかわらず公開から24時間で早くも1,200万回再生を突破している。

全編の映像はこちら。


何より印象的だったのは、これまでのキャリアではあまり見せなかった、リラックスしてガードを下ろした雰囲気。

新作のことから恋愛、マスター音源の買い戻し、家族の話まで、包み隠さず語っていた。
トラビスとジェイソンという気のおけない存在だからこそ、自然体で話せたのだろう。ファンにとってはまさに貴重な映像だ。

番組内で発表された主なポイント

1)新作『Life of a Showgirl』

ツアー最終日の演出:The Eras Tourの最終日だけ、オレンジの扉から退場。それは、「このエラの終わりと新しいエラの始まり」を示すイースターエッグだった。

発売日:10月3日

制作背景:ツアー後半のヨーロッパ公演中、スウェーデンで全曲をレコーディング。3日間のライブ後、3日空きがあれば飛行機でスウェーデンへという驚異的スケジュール。(トラビスも驚くスタミナ)。「肉体的には疲れていたけど、精神的には創作意欲が高まっていた」と語る。


収録曲:全12曲。12曲目のタイトルトラックは、サブリナ・カーペンターとの共演。

アップビートなポップアンセム満載の新作『The Life of a Showgirl』を10月3日に発売すると発表したテイラー・スウィフト。彼氏のポッドキャスト初出演で見せた、これまでにない“素”のインタビューも貴重。


プロデュース:マックス・マーティン、シェルバック、テイラーの3人。

2人とは7、8年ぶりのコラボ。これまでも『Red』や『1989』のキャリアを代表する最強ポップ曲“We Are Never Ever Getting Back Together”、“22”、“Shake It Off”、“Blank Space”、“…Ready For It?”など、ポップアンセムを生み出してきた。しかしアルバム全曲を3人だけで作るのはこれが初めて。しかも今回はアルバムに収録される12曲だけに「集中して」制作。「長年作りたかったアルバム」だと語る。トラビス曰く前作とは「180度違うダンスアルバム」。

興味深いのは、テイラーは前作『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』発売後の批判にしっかりと耳を傾けたのでは、と思えること。まずファンは、似た雰囲気の曲が多かったため「そろそろジャック・アントノフ以外とのコラボも聞きたい」と言っていた。批評家からは「曲数が多すぎるので編集すればもっと良くなるはず」と指摘されていた。今回は、いわゆるボーナストラック的な、収録から漏れた曲は一切ない。「曲を書くのが好きだから多く書くし、それを発表したくなる。だけど今回は、曲の質、テーマ、全てが完璧なパズルのように合わさるアルバムを目指した」と語っていた。


目標:マックス・マーティンに「The Eras Tourと同じくらい、同じ理由で誇れるアルバムを作りたい」と話していた。

「メロディがあまりにも耳に残って、ほとんど腹が立つくらい(笑)。歌詞も同じくらい鮮明で、それでいてシャープで、フォーカスが定まっていて、すべてが完全に意図的。本当に美しい形で、私とシェルバック、マックスの3人がひとつになれた気がする」

テーマ:「The Eras Tour中、舞台裏で私の内面では何が起きていたのかを描いた作品。ものすごい高揚感とエネルギー、鮮やかさ、そして人生でも最も感染力のある喜びに満ちた、ワイルドでドラマチックな時期。その高揚感がアルバムにも表れていて、トラビスが言った通り、まさに“バンガー”揃いになっている」。


アートワーク:Mert Alas & Marcus Piggott 撮影。超有名ファッションフォトグラファーで、テイラーで言えば、『レピュテーション』撮影。

アップビートなポップアンセム満載の新作『The Life of a Showgirl』を10月3日に発売すると発表したテイラー・スウィフト。彼氏のポッドキャスト初出演で見せた、これまでにない“素”のインタビューも貴重。

アップビートなポップアンセム満載の新作『The Life of a Showgirl』を10月3日に発売すると発表したテイラー・スウィフト。彼氏のポッドキャスト初出演で見せた、これまでにない“素”のインタビューも貴重。

「写真はライブの後の“夜の終わり”を意味する。大抵は、スパンコールのドレスは着ていないけど、バスタブの中にいる。そのツアーがどんなふうに感じられたのか、そのあらゆる側面を、ちょっときらびやかに切り取って表現したかった。午前4時になるまで眠れないんだけど。でも、ショーは障害物コースを、まるで5千万個ものハードルを飛び越えるみたいに、乗り越えてこなさなくちゃいけない。それをやり遂げた後。しかも、あと2公演連続で控えているような時。でも、今夜はやり遂げた。そんなオフステージの瞬間をアルバムのメインカバーにしたかった理由は、このアルバムが、ステージ上で私に起きたことについてではなく、ステージを降りた後、私が経験していたことについてだから。これが、このアルバムの歌詞の内容を、より的確に物語っていると思った。舞台を離れたところにある生活を」

ちなみに、アルバムの1曲目は“The Fate of Ophelia”。ポッドキャストの中でテイラーは『ハムレット』について言及している。ハムレットの恋人オフィーリアを描いた絵を所蔵するイギリスのテート美術館は、早速このアルバムアートワークと並べて、ジョン・エヴァレット・ミレーによる《Ophelia》を投稿している。この絵がインスピレーションである可能性は高いのでは。


2)マスター音源を買い戻した瞬間


母から「マスターを買い戻せた」との電話を受けた瞬間、カンザスシティのトラビス宅で泣き崩れたというテイラー。
その場でトラビスに伝え、彼も号泣。「もし買い戻せなかったら、いつか誰かが私の最初の6枚のアルバムを遺言で子どもたちに残すことになっていただろう」と語った。その話を聞いている兄ジェイソンの目もうるっときている。

またプライベートなどについては。

3)最近の得意料理

シナモンスワール・サワードウブレッドが得意。またトラビスの大好物のポップタルトもお得意。

4)NFLの世界を実感した瞬間

「(彼のチームが)AFCチャンピオンシップで優勝して、初めてフィールドに足を踏み入れた時。スイート席にいたんだけど、優勝した瞬間、みんな大興奮で叫びまくってて。彼のお母さんが『さあ、フィールドに降りましょう』って言って。『えっ? 彼がOKって言ったの? そんな話、全然してないんだけど』と。彼は、縁起を担ぐタイプだから、そういうのを事前に話したりしないの。でもお母さんが、『彼はあなたに来てほしいはずだから』と言ってくれて。フィールドに行ったら。『やばい、やばい、やばい…!』って。あたり一面ライトで、本当に圧倒された。今まで生きてきて、あんなにたくさんのメディアを見たことはないくらい。私はかなり色んな現場を見てきたはずなのに、あれは桁違いだった。それで、メディアが私を見つけた瞬間、『あーっ!』ってなって、一斉にこっちに走ってきた。私はあなたを見ながら、『5分前には想像もしてなかったような、ものすごく高揚した状況』に放り込まれていて…。でもそれが、私にとって一番大切な思い出のひとつ。彼を心から誇らしく思った瞬間だった」

5)ポッドキャストに出演の理由。

「このポッドキャストがきっかけで彼氏ができたから」。
2年前、トラビスがライブ会場に電話番号を記したフレンドシップブレスレットを持参したが会えず、その話を番組で語ったことが交際のきっかけになった。

「このDM、SNS時代に、(彼のアプローチが)まるで80年代のジョン・ヒューズ映画みたいだと思った。窓の外でブーンボックスを抱えて『君と付き合いたい!』って言ってるみたいだった。私が10代の頃から書いてきた曲は、こんなことが起こりますようにと願ってきたことだった」

これが2人が付き合うきっかけになったポッドキャスト。テイラーに会えなくてがっかりしたとトラビスが語っている。そこから2年で、テイラーが出演するまでになるとは!

https://www.youtube.com/shorts/TchefDFDTOs

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