ロックスターが守り続ける純粋な聖域

VAMPS『SWEET DREAMS』
2009年09月30日発売
SINGLE
シングルやアルバムを立て続けにリリースし、ライブもZeppからアリーナ、さらにはアメリカまで廻ってきたVAMPSの09年。この4thシングル『SWEET DREAMS』は、そんな怒涛の季節を締め括るに相応しい、ピアノがきらめくスロー・バラードだ。アルバムにも収録されていた楽曲だが、活動の流れとリンクしたシングルカットからは、VAMPSが活動そのもので大きな物語を作ろうとしていることが伝わってくるようだ。VAMPSといえば、グラマラスでへヴィなロックンロールというイメージを抱いてる人も多いかもしれないけれど、こういった楽曲も秀逸の出来である。そして一見、相反すると思えるそれらの楽曲には、「HYDEとK.A.Zの素直な感性で作られている」という共通点があるのだ。激しい楽曲では己の本能を爆発させ、今作のような楽曲では生まれたてのピュアネスを曝け出す。特に2曲目に収録された“SWEET DREAMS -acoustic”には、それが顕著に表れている。素直な感性でこれほど完成度の高い楽曲を作り続けられる彼らのスキルにはつくづく脱帽。次の展開にも期待してやまない。(高橋美穂)