現在、バリバリに全国ツアー中のDOPING PANDAが届けてくれた、完全生産限定盤のミニ・アルバム。５曲入りのＣＤと、今年７月に行われたリキッドルームでのライブを約60分も収録したDVDまでが付属するという、超てんこ盛りの作品となっている。タイトル曲“anthem”が、もの凄く良い！　タイトルからして壮大できらびやかなサウンドを想像する人が多いと思うが、それはちょっと違う。これはミディアム･テンポのダンス・チューン。軽快にステップを踏みたくなるのだが、何とも言えずやるせない想いもじっくりと渦巻いてゆく。そして、サウンド･メイキングのクオリティが凄まじく高い。派手な上モノがいろいろ重ねられているわけではなく、かなりシンプルな作りなのだが、豊かなエネルギーの脈打ちを感じさせる。ギターのカッティングのキレの良さ、あっさり弾いているようでいて滅茶苦茶ドラマチックなソロが、猛烈に光っている。極上のダンス･チューンであると同時に、エレキ・ギターという楽器のかっこよさをこんなにも示してしまえるのは、やっぱりドーパンならではだ。（田中大）