もう一つのかけがえのない場所

OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND『New Acoustic Tale』
OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND New Acoustic Tale
OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDを続けることで、TOSHI-LOWは変わった。BRAHMANで表現してきた怒りや葛藤とは対極にある優しさや穏やかさのような感情を、彼は今作ではためらうことなく出しているように思える。メンバー構成や音楽性からBRAHMANの単なる別プロジェクトとして認識されることが多かったOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDだが、彼ら自身、その存在意義を模索している感じが前作まではあった。しかし、生活する中で感じる幸せや前向きな意思まで詞に綴り歌っている今作では、逞しくて温かなOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDの独自の音楽性をはっきりと感じることができる。と同時に、今のOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDはTOSHI-LOWにとって現在の自分自身を素直に表現できるかけがえのない場所となり、BRAHMANとは異なる意味がしっかりと確立されたことを強く感じる。疾走感のある曲、カントリー調の曲などバラエティ豊かな曲調の中で、逞しいアコースティックサウンドと繊細なバイオリンの音色がゆっくりと絡むのを聴くと、心が温かく満たされていく。この新たな魅力が今後どう進化するのか、そしてそれらがBRAHMANにどう影響するのか、楽しみだ。(奥山華代)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on