アッシュにとって、このシングルを切り続けるという戦略は、言うまでもなくソングライティングに回帰するという宣言である。以前はいい曲があってもアルバムのカラーに合わないから外さなきゃいけなかったとティムは語っていたが、もっと言えばアルバムとしての重厚さを求めるあまり、アッシュ本来の魅力が失われている傾向がここ最近は続いていた。そこから脱却するためにレコード会社との契約も結ばずに、このプロジェクトに乗り出したわけだが、結論から言えば大成功である。そういう意図をもってやっているから当たり前だが、とにかく曲がいい。デビュー時を彷彿とさせるような軽快さに満ち溢れている。2010年のシーンと密接にリンクするような作品ではないが、アッシュが帰ってきたと思うファンは多いはずだ。そして、彼らの音楽が日本のロックの進化に大きな影響を与えたことも分かるはず。やっぱいいバンド。(古川琢也)
7インチの美学
アッシュ『A-Z ヴォリューム1』
2010年04月07日発売
2010年04月07日発売
ALBUM
アッシュにとって、このシングルを切り続けるという戦略は、言うまでもなくソングライティングに回帰するという宣言である。以前はいい曲があってもアルバムのカラーに合わないから外さなきゃいけなかったとティムは語っていたが、もっと言えばアルバムとしての重厚さを求めるあまり、アッシュ本来の魅力が失われている傾向がここ最近は続いていた。そこから脱却するためにレコード会社との契約も結ばずに、このプロジェクトに乗り出したわけだが、結論から言えば大成功である。そういう意図をもってやっているから当たり前だが、とにかく曲がいい。デビュー時を彷彿とさせるような軽快さに満ち溢れている。2010年のシーンと密接にリンクするような作品ではないが、アッシュが帰ってきたと思うファンは多いはずだ。そして、彼らの音楽が日本のロックの進化に大きな影響を与えたことも分かるはず。やっぱいいバンド。(古川琢也)