9mm Parabellum Bulletとは何か。メタルやハードコアの肉体性。昭和歌謡の様式美とエモーション。その両方を爆裂させながらめちゃくちゃに転がっていくようなライブのカオス。彼らの音楽を説明しようとするほど、言葉は過剰になり、その核心はニヤッと笑いながら一歩先へ逃げていく。そんな気がしていたが、このアルバムを聴いて、解釈の追いかけっこがすっぱりと終わった。これが、ここで鳴らされている全てが完全に過不足のない9mmの本質である。初のセルフ・プロデュースで生み出された10曲は、卓郎の歌声の色気も、滝のリフのアナーキーさも、ちひろのビートの重量感も、和彦のシャウトの野蛮さも、全部のサウンドのエッジをギラギラに研ぎ澄ませながら、圧倒的なポップさを実現している。その上で、巨大な装甲車がトランスフォームしながら爆走するような疾走感が、アルバム全体をブチ抜いている。ロックという名の玩具で遊び続けた4人の天邪鬼たちが、ついにロックの神に選ばれてしまった。《世界を変えるのさ 変えるのさ/おれたちの思い通りに》。この全能感はもう誰にも止められない。到達点にして出発点の傑作。(松村耕太朗)