ビトウィーン・ヒア・アンド・ゼアガレージ・ロックもポスト・パンクもニュー・レイヴも、さらにいうならフォーク・パンクとかテムズ・ビートみたいな小さな動きも、つまり2000年代のUKロックを全部引きずって未来に向かってジャンプするようなロックだ。21世紀育ちのハイブリッドな感覚でジャンルを横断し、色鮮やかに塗り替えてしまうルック・シー・プループの姿は、00年代のUKロックを総括しようとしているようにも見える。僕は先月号でこのバンドをあえて「ギター・ポップ」と表現した。ギター・ポップとはギターで世界に色をつける音楽のことだ。ギターで明日に向かう足取りを軽やかにしてみせる音楽のことだ。では彼らはなぜ、過剰なまでにアッパーで前のめりでカラフルな音を鳴らすのか。それは「いま」に我慢がならないからだ。明日のために「いま」、この世界を塗り替えなければならないからだ。rockin’on 2008年7月号のインタビューでデイヴィッドは「もう1枚くらいアルバムを出したい」と発言している。その音に宿るポジティビティは、未来への「夢」や「希望」によるものではない。どうか、彼らがジタバタと絵筆を振り回した先に、未来が開かれんことを。(小川智宏)