ヤンキーの「純」な美学

氣志團『木更津グラフィティ』
氣志團 木更津グラフィティ
5年ぶりの新作のタイトルは『木更津グラフィティ』。これは、綾小路翔が制作総指揮した地域密着型トレンディドラマと同じタイトルである。だから、彼ららしいメディア戦略の一環として作られたのだろうと思ったが、実際に聴いてみると予想と違った。仕掛け満載というよりは、もっと「純」な内容なのである。氣志團の場合、サブカル的引用をちりばめた部分と明快なロックンロールが混在している。今回も70年代風ディスコでピンク・レディーのパロディみたいなアレンジが出てくる“愛してナイト!”、ジュリアナ的なシンセとメタルなギター・ソロが合体した“好きにならずにいられない”など、ギミックに彩られたサブカルな曲はある。しかし、幕開けの“Rock'n'roll Graffiti”や“拳の中のロックンロール”など、シンプルな曲の方が主流であり、ヤンキー美学の原点に戻ったような内容になっている。可愛いあの娘と喧嘩と友情――という世界が、ストレートなサウンドでくっきり描かれている。だから、仲間との誓いや絆を歌ったラストのバラード“オレたち”が、意外なほど感動的に響く。(遠藤利明)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on