6年ぶりのアルバム『シェイク／シヴァ／モウン』を引っさげ、フジ・ロックへの出演を果たした22-20s。バンドのテンションとオーディエンスの熱気が交差して、素晴らしい復活劇となった。そんな彼らから届いた本作は、アルバム未発表曲6曲に加え、“ビター・ピルズ”と“オーシャン”のアコースティック・バージョンを収録したアウトテイク集。

未発表の6曲、どれもいい。基本的にはアルバムのダークでセクシーなブルース・モードと地続きではあるが、ハード・エッジなビートが高揚感を煽る“ブラッド・イン・ザ・ベースメント”、サイケデリックな“イフ・ユー・ラヴ・ハー、レット・ハー・ゴー”、ギター・リフとバスドラがヘヴィに展開する“クラック・イン・マイ・コンフィデンス”と、曲ごとにはっきりとした世界観が表現されたナンバーが並ぶ。個々のキャラクターの強さも、アルバムから漏れた理由かもしれない。本作を聴いていると、たとえばアークティック・モンキーズと彼らのあいだにあるミッシング・リンクが非常に明確に理解できる。モダンなロックンロールとはどういうことか、22-20sはそれを本能的に体現している。（小川智宏）