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まずオープニングの“Finder”からして奮っている。《孤独と我慢の日々は終わった/僕らの未来がまたここから始まる》のである。そんな力強い宣誓の歌から、“Get Back To 人生”のにぎやかなバンドサウンドへ。新たな始まりに祝砲を打ち鳴らすようなカラフルなポップネスから続くのは“ミックスナッツ”“SOULSOUP”と、『SPY×FAMILY』主題歌2連発。音源作品ながらライブのような圧巻の流れに痺れる。新曲“Sharon”で聴かせるヒゲダンらしいあたたかさも格別で、新たなミックスで放たれる“Anarchy(Rejoice ver.)”は、2年半前のリリース時よりもオープンマインドな空気を纏い、堂々たるスケール感を伴って聴こえてくるのが面白い。すべての音がより外へ、すべての歌詞がより深く――このアルバムは、ヒゲダンが音楽を奏で多くの人と共有する喜びに満ち溢れているかのよう。そしてラストの“B-Side Blues”では決して順風満帆ではなかった過去をやさしく見つめ、ここからまた「続き」が始まることを祝福するのだ。最高。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年9月号より抜粋)
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