『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
これまでの路線、本人たちの言葉で言うところの「あったかソウル」を継承しつつ、前作以上の多彩さを感じさせる一作。特に驚かされたのが、1曲目の“meguri”。華やかなストリングスを大々的にフィーチャーした極上のポップスで、これまで以上に遠くへ、かつ全方位に自分たちの音楽を響かせようとする意志を感じる。なお、他の3曲は、メインのソングライターHiyn(Vo・G)と並ぶ形でRosa(Key)が作曲に参加。そうした座組みの変化もあってか、“meguri”もしかり、今作の楽曲はどれも、Hiynの歌が前作以上に鮮やかに際立っている。また、英語詞がないことも象徴的で、今作では、Hiynが丁寧に歌い届ける日本語詞とソウルミュージックの掛け合わせの妙が随所で光る。《めぐりあうのだ》(“meguri”)や《移ろいあって会いましょう〜☆》(“miru:miru”)をはじめ、スムーズなサウンドと相まって、思わず声に出して歌いたくなるような美しい日本語の響きが多数。多くの歌詞が平仮名表記であることも偶然ではないはず。(松本侃士)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年1月号より)
『ROCKIN'ON JAPAN』1月号のご予約はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。