活動を再開し、2作目から3作目にかけては順調なペースでリリースが続いているのは何より。活動再開後の4年間、22-20sをギタリストとして支えてきたダンが、この5月頭に離脱(現在、オフィシャルHPのトップに本人のコメントがアップされている)してしまったことは残念なニュースだったけれど、オリジナル・メンバーによる3人編成となった22-20sのギュッと音が濃縮されて放たれるグルーヴと爆発力がとんでもなかった。というか、その音に触れてはたと気付いた。僕はこの3ピースのステージを観るのは実は初めてだったのだ。ファーストのときにはサポートのキーボード奏者(チャーリー:元スーパーグラスのギャズ&ロブの実弟)がいたし。
ジミヘンの客入れSEが鳴り止むと、落ち着き払った3人が登場。マーティン(Vo&G)がウオオオォォーンとギター・アンプのヴォリュームを上げる、そんなライヴ開演時の当たり前のような光景が、高揚感に拍車を掛けてくれる。これが22-20sのライヴだ。オープニング・ナンバーはセカンド作から“Heart on a String”である。ゆっくりと時間をかけて沸々と熱を帯びてゆくグルーヴ、そこから逃れようのない熱狂の中へと引き摺り込んでゆくさまは、セカンド以降に幅を広げた作曲スタイルがあればこそだろう。歪みながらエッジの立ったギター・リフを繰り出すマーティンと、ジェームスによるシンバル&スネアの猛烈なアタック感をもたらす倍音とのコンビネーション、そこにしなやかに、正確に絡んでゆくグレンのベース。メンバー脱退の欠落感など微塵も感じさせないロックンロールが形を成してゆく。
セカンド作の中でもひときわ扇動的でアップテンポな“Latest Heartbreak”、最新作の冒頭を飾る、じりじりとしたエモーションでメロディを転がす“Bring It Home”と、これまでの作品からまんべんなく楽曲がチョイスされることで、ライヴのムードも一辺倒ではなく彩り鮮やかなものになっている。演奏に抑揚をつけてオーディエンスのハンド・クラップを誘い、極めてスリリングでありながらも破綻せずに際どいコーナリングを決めてゆくような地肩の強いパフォーマンスは、さすがというより他にないだろう。その佇まいは素っ気ないぐらいにロックンロールだけに特化され、演奏以外の部分で過剰なサーヴィス精神を発揮することもない。しかしそれが、ファンの信頼をより強固なものにしている気がする。
それでもライヴにおいては、3人の生々しいロックンロールの呼吸によって、熱く緊迫したヴァイブが一貫しているのが素晴らしい。くたびれたブルースが美しいブライトネスへと昇華される“Baby Brings Bad News”の直後、マーティンが抱えながらチューニングしていたギターのストラップが外れて床に落下してしまい、慌ててギターを交換するという一幕もあった(当のマーティンは「あれはメイド・イン・ジャパンだよ」と笑っている)が、すぐさま“Shoot Your Gun”で体勢を立て直し、熱狂を取り戻してしまうのだった。
グレンの不穏なベース・ラインに導かれてガッチリと展開する“Shake, Shiver and Moan”に続いては、これはもう鉄板の盛り上がり“Devil in Me”である。大歓声と共に打ち鳴らされるクラップの中、マーティンも心得たもので、嗄れたヴォーカルや弾きまくるギターにも一層力が込められていた。そして“A Good Thing”は一転、マーティン一人による弾き語り。泣きのメロディがぐっと際立つ。本編最後は以前からのライヴ定番曲“King Bee”のぶっといグルーヴを叩き付け、堂々フィニッシュしてみせた。
SETLIST
01. Heart on a String
02. 22 Days
03. Latest Heartbreak
04. Bring It Home
05. Why Don't You Do It for Me?
06. Cuts And Bruises
07. Bitter Pills
08. Pocket Full of Fire
09. Only Way You Know
10. Talk to Me
11. Baby Brings Bad News
12. Shoot Your Gun
13. Shake, Shiver and Moan
14. Devil in Me
15. A Good Thing (Solo Martin)
16. Such a Fool
17. I'm the One
18. King Bee
encore
19. Little Soldiers
20. Paint It Black