美しき連撃の軌跡

DOES『ジャック・ナイフ』
DOES ジャック・ナイフ
出だしのギター・フレーズ一発ですぐにそれとわかるというのは、凄まじい個性だと思う。『バクチ・ダンサー』大ヒットの後、PV集、ベストアルバムのリリースと、これまでの活動を総括するような動きを経て繰り出されるDOESのニュー・シングルは、まさに彼らの王道たる渇いた疾走感が前のめりに炸裂。他の誰とも間違いようのない刻印がきざまれている。DOESの音楽には、その和心を強く感じさせるメロディと、メンバーの涼しげな佇まいを根拠に、これまで自然と日本刀のイメージを抱いていた。だがこの“ジャック・ナイフ”という楽曲と正面から向きあう時、その印象はガラリと変わる。もちろん、「DOES節」という意味では驚異的にブレていない。しかしこれまで一連の流麗な動作として捉えられていた楽曲全体の流れが、実は日本刀的なひと振りではなく、高速の中でガッ、ガッと一音ごと深く突き刺すような、俊敏で細かな動きの連続から生み出されているのだと気づく。文字通りナイフのような鋭いエッジと自在な機動力が、激しさの中に美しい流線形の傷口を鮮やかに浮かび上がらせている。(井上智公)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on