カーニバル的強者ロック

ザ・キャット・エンパイア『シネマ』
ザ・キャット・エンパイア シネマ
今となってはオーストラリアはファンク、ヒップホップ、レゲエ、ロックなどが渾然と一体化した音楽性を持つアーティストやユニットの宝庫となった観もあるが、その中でも最も豊かな音楽性を打ち出しながら、ほぼ10年近く活躍してきたキャット・エンパイア。ジャズをベースにしたシーンから登場しているため、リズムの采配が実に豊潤で、曲によってはポリリズミックなドライブも備わったりしていて、それだけでもアルバムに聴くべき価値をもたらしている。ただ、基本的にはオルタナティヴ・ロックとしてのメンタリティが貫かれているので、ひどく入り込みやすい楽曲とパフォーマンスが展開されていく。彼等の5枚目のアルバムとなる本作は日本では初リリースとなるが、非常にかっちりしたアレンジと構成でまとめた作品になっていておそろしく聴きやすくなっているので、このバンドの魅力を知るには最適な作品となるだろう。しかし、このバンドの奔放なエネルギーには事欠かず“コール・ミー・ホーム”などの緩急自在な曲の展開にその魅力は充分に発揮されている。オルタナ節と微妙なラテン風リズムとの絡みがとにかく癖になる。(高見展)
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