いつも思うがどうしてカナダでは良質なエレクトロニック・インスト・バンドが生まれ、安定した活動が続けられるのだろう。このトロントで結成され5年以上が経つホーリー・ファックもそうだ。日本デビュー盤となる本3作目でもじつに悠然とした世界を頭から展開して、それが最後まで一瞬たりともダレることがない。彼らの最大の特徴である“ノン・コンピュータ”、すべて生演奏ということを考えると、この音密度は驚くべきことだろう。それだけ音数そのものは少ないわけだが、その空間を埋める説得力をどう音に持たせるか。それを実現するための緊迫感が各楽器間に緻密に張り巡らされている。
ブライアン・ボークハートとグレアム・ウォルシュのオリジナル・メンバーを核にドラムス、ベースが固定化したことも大きかったし、元ブロークン・ソーシャル・シーンのデイヴ・ニューフェルドに加えデイヴ・サーディやイーライ・ジャネイらが顔を揃えたミックス陣も非常に有機的につながり、アルバム・タイトルはよくわかんないが、すべての音が活き活きと呼吸し合って、みごとこれまでの中では最高のアルバムが出来上がった。(大鷹俊一)