単なる一時の気晴らしとして音楽を消費したいなら薦める気はないが、もしあなたがそこに、言葉にならない美しさや、尊厳や、救いを求めているのなら、この1枚は間違いなく手に取るべき。シングル『PICTURES』が素晴らしかったので期待していたが、全14曲というボリュームで、音楽的な多様性とタフネス、そして魂を揺さぶるメッセージの重みを孕んだ作品が、いよいよ到着した。もう冒頭の“This life”から、孤独で傷ついた心に手を差し伸べる巨大なエナジーを放っていて、胸が震えるくらい素晴らしい。
轟音に悲しみを、シャウトに懺悔を、歌に愛を込めて、P.T.Pは打ち鳴らす。やり場のない怒りや孤独をぶちまけながら、己の弱さに苦しみ、それでも自分の生きる意味やその方法を証明するかのように音楽を紡ぐ。この世界で傷つかずに生きる事なんて不可能だ。だけど逃げさえしなければ、たとえ付いた傷痕だって美しい模様として自分の一部になるかもしれない。闘いの軌跡のようなこのアルバムを聴いてそんな事を思った。ラウドロックという鎧を突き破り、普遍的な強さと美しさを確立した傑作。(福島夏子)