ツアーファイナル筋肉少女帯は過去に“タイアップ”という曲を発表しており、そのなかで大槻ケンヂは、タイアップが「欲しいの」と身悶えていた。いかにもオーケンらしい笑いのとり方だった。そのようにもともと宣伝ということには敏感な(笑)彼らだが、今度は、筋少が9月に14年ぶりの武道館公演を行う直前のこのタイミングで“ツアーファイナル”と題したシングルを出す。シングル発売によって、自分たちのライブ・スケジュールとのタイアップ、自己宣伝をあえて露悪的にやってみせたような、相変わらずの笑いのセンスである。変わってないなー。
昨年の再結成第1弾シングルは、復活の経緯をまんま歌った“仲直りのテーマ”だった。一方、今回のシングルでは、≪ロックバンドは仕事がツアー≫と身も蓋もない現実を叫んでいる。その意味では再結成後の筋少は、ドキュメント・私小説バラエティ路線なのかも。しかし、オーケンのひねくれたギャグとは対照的に、速弾きが炸裂するハイテンションなメタル・サウンドは、実は生真面目なのだ。両者のそんなギャップこそ筋少の面白さ。この点も変わらない。(遠藤利明)