たとえば武道館公演のようなひとつの達成を果たした時、バンドが現状維持よりも変化を望むのは当然のことだが、それはもちろん、変化が目的ではなくその先に待つ進化を目的とする。2枚同時リリースされた『CYPRESS GIRLS』『DETECTIVE BOYS』という実験的作品に自ら「3.5枚目」と銘打ったのは、この4枚目で得られるであろう成果を彼ら自身が信じていたからだろう。本作には、ほぼ完成形とも思えた3rdのさらに上を行く、予想以上にストレートなベボベ節が終始炸裂している。3.5枚目で吟味された新素材の数々は完全に溶かし込まれ楽曲に深みと彩りを与えているが、変化を目的としたあざとさは皆無だ。そもそもベボベの真っすぐさとは、小出祐介のねじれから出発している。最初から真っすぐ突っ立っているのではなく、ねじれたゴムがギュインと戻る時のような、動きの先にある真っすぐさ。最後の曲で《あたらしい朝が来れば 僕は変われるのかなぁ》(“新呼吸”)と疑問を投げ、1曲目で《あたらしい朝は来るよ 僕らにも》(“深朝”)と答える。そのねじれが、この上なく透明に響く。(井上智公)