パンティを超えた、全裸の叫び

モーモールルギャバン『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』
モーモールルギャバン 僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ
泣けるぜ、モーモー。 ど頭からバスバスバスバス!と勢いよく叩き上げるゲイリーのドラムが象徴するように、『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』は全身全霊でモーモーが彼ら自身の今を刻み付ける会心作だ。3人のアヴァンギャルド遺伝子が爆発した前作『BeVeci Calopueno』を経て、よりストレートかつポップに開けている。ユーモアたっぷり、だけど《俺の全て 有り余るほど溢れ出すパトス》(“J・O・E”)というように、もの悲しさや切なさが茶化されずに剥き出しで響く。“午前二時”や“それは悲しい唄のように”などのシンセサイザーには、以前とは違う温かみが灯った。各曲の中で様々な感情が咲きこぼれるが、決して独りよがりに暴発せず、自然と聴き手に寄り添ってくる。こんな作品は初めてだ。そして表現者としての決意は、《俺は唄う この手に握る全てを》と唄い始める最終曲“気まぐれのように揺れる世界から”に帰結する。「パンティ!」「ユキちゃん」という初期のハイテンションな記号はこれからも愛され続けるだろうが、今彼らはそういった合言葉に収まらない、壮大なポップを叫び始めたのだ。(福島夏子)
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