からっとミニマリズム

ドノヴァン・フランケンレイター『スタート・リヴィン』
ドノヴァン・フランケンレイター スタート・リヴィン
ライヴでもレコーディングでも、実にシームレスで芸達者なパフォーマンスやソングライティングを繰り広げることで知られるドノヴァン・フランケンレイターの新作だが、今回はバンドとのレコーディングから離れて、ベースのマット・グランジーとふたりだけで試行錯誤を繰り返しながら作り上げた、言ってみれば実験的な作品になっている。といっても、作風そのものはミディアム・テンポのロック・バラードを軸とした自身の身上に則したものになっていてソングライティングもこれまでのドノヴァンの作風のままだ。だが、レコーディングのアプローチと歌詞の趣向が今回はドラスティックに変わっているところが特徴的。基本的にふたりだけで作っているアルバムなので非常にパーソナルな近さが音のなかに生まれるのは当然だとして、非常にDIY的なやりくりと工夫がサウンドに却って新鮮な刺激をもたらしているのがこのアルバムの最大の魅力になっている。そんな音と自身の身辺に題材を求めた歌詞があいまってどこかミニマリスティックな作品となっているところがこの作品をどこまでも飽きのこない聴きやすい内容に仕立て上げている。(高見展)
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