昨年、6枚目となるアルバム『STAR』で、新体制でのスタートを切ったフジファブリック。今作は、3人となっての初めてのシングル。“徒然モノクローム”は、アニメ『つり球』のオープニング・テーマとして書きおろされた曲で、作品のエッセンスも汲んだ青春期の物語のようだが、その歌の世界観はとても彼ららしい。というか、彼らそのものといった感じだ。飄々としたままで、もやもやとした浮かない気分をまじめに嘯いたかと思うと、いつのまにか思考はシュールに脱臼していって、独特の浮遊感でリスナーも包み込んでいってしまう。《徒然しちゃう?》という、肩の力が抜けまくったフレーズに思わず吹き出してしまったが、螺旋状に駆けあがっていくメロディやコーラス、サイケデリックともスペイシーとも言える鍵盤やギターのハーモニーとともに、そのフレーズが吹き抜けると、なんとも爽快。考えすぎて未来の不安も先取りしてしまう前のめりの思考回路に、余白もまた楽し、とほっと息をつかせてくれる。サウンドはどこまでも濃密で、構築的なんだが、ほっくりとした笑顔が見えるのがこの3人ならではだ。(吉羽さおり)